「挫折」の昭和史 下 (岩波現代文庫 学術 141)
「挫折」の昭和史 下 (岩波現代文庫 学術 141) / 感想・レビュー
今野ぽた
徹底した文献主義、それも予想もしないようなラインから昭和史を描いた大著。 「ダンディズムは頽廃と結びつき易いが、それは階層秩序に編成されること、分類されて上下関係の網の目に組み込まれることを拒否して、自らを開かれた状態に置いておく精神に基づいていることに由来するものであろう。/秩序に対しても、人に対しても、自然及び環境に対して開かれた状態に置いて置く精神の技術こそ、薩長中心の藩閥体制に飼いならされて来た近代の日本の人々の最も不得意な、あるいは全く欠如していたものと言える」
2022/01/19
bittersweet symphony
ベルトルッチ監督「ラストエンペラー」で描写された甘粕正彦の執務室のアールデコ装飾に触発されて満州を中心としたモダニズムにかかわる人々(イコール戦争によって挫折を余儀なくされた人々)を描いた作品ということになります。上巻は雑多な人達の群像劇的な印象ですが、下巻では石原莞爾を中心軸として、かかわる人物群を描写していく形になっています。膨大な文献を渉猟して、いろんな人達のリレーションを芋蔓式に繋いでいくわけですが、どの関係がどこまで緊密なそれなのかについてはなかなか判断し辛い面があるのも確か。
2013/04/04
okbooks
スリリング。
2013/11/10
gkmond
お腹いっぱいになったので補遺は飛ばした。引用元を読んでみたくなるという意味では優秀な読書案内。なんだけども、どうにも著者の立ち位置にいらついてしまい、楽しめなかった。そもそも1930年代を楽しもうってのが無理ゲー(自分的に)なのかもしれない。天皇主義リアリストっていうのは語義矛盾じゃねえのかなあとか甘粕の描写読んでて思った。
2023/09/27
∃.狂茶党
石原莞爾とその周辺の、関係性があれこれ。 モダニズムと軍国日本のあれこれ。
2019/09/05
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