カントの自我論 (岩波現代文庫 学術 184)
カントの自我論 (岩波現代文庫 学術 184) / 感想・レビュー
Happy Like a Honeybee
私の現存在は私が構成するのではなく、私に与えられる。いまが私に現存在とともに与えられることこそ、物自体を消去できない理由である。 カント哲学について市民講座向けの内容を書籍化した一冊。 どんなに苦悩しようとも、いつか肉体は滅びていく。 各人が持ちうる個性や思想も、自然の流れと一体化する日がやってくる。 巻末の中島氏とカントの関わりは秀逸だ。
2018/05/24
hitotoseno
当代随一のカント学者が書いた一人でカントを読めるようになるための本。それゆえ論点もいかに自我が世界を認識するか、そもそも自我はいかに成り立つかというものに終始し、最終的には身体論の次元まで移るので大分現代化されたカントと言える。途中でハイデガーのカント解釈を批判しているが、ハイデガーを裏口から輸入しているような部分も見受けられる。
2016/05/04
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