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トランスクリティーク――カントとマルクス (岩波現代文庫) (岩波現代文庫 学術 233)

トランスクリティーク――カントとマルクス (岩波現代文庫) (岩波現代文庫 学術 233)

トランスクリティーク――カントとマルクス (岩波現代文庫) (岩波現代文庫 学術 233)

作家
柄谷行人
出版社
岩波書店
発売日
2010-01-16
ISBN
9784006002336
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トランスクリティーク――カントとマルクス (岩波現代文庫) (岩波現代文庫 学術 233) / 感想・レビュー

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Z

柄谷行人の哲学の集大成と思う。結論は話が大きすぎるのでカッコに入れるにしてもカントから取り出す思考の方法論かつそれを敷衍する氏の思考の展開は圧倒的。一部でカント二部でマルクスについて吟味する。カントは批判書で感性と悟性を媒介する図式を考えた。厳密な数学的な図(三角形や円)はこの世に存在しないが人間はそれを認識できる。個と一般を媒介するものとして図式を考えた。これはロマン派やヘーゲルなどに見られる種の論理とは異なる。種の論理とは類概念の抽象性に対し個人と類を結ぶ種を重視する思想である。例

2018/04/15

柳田

2016年度、H大学にいたときに受けた授業のテキストだった。先生は柄谷行人の弟子だったらしく、ゴシップ満載だった。もっとも哲学科の専門科目ではなく、私含めて学生は哲学の知識がなかったから、中身を読み進めるのではなく序文の最初の30ページくらいをいったりきたりしつつ哲学史を総ざらいしていた。通年で30回の講義で、シラバスは全部読み切る予定で書いてあったのだが… 一応なんとか通読して、『世界史の構造』も読んだのだが、さっぱりだった。しかし、哲学・思想の世界にグワーッと惹き込まれた、講義とともに思い出深い1冊。

2018/03/04

浅香山三郎

本書の言はば概要版にあたる岩波新書の『世界共和国ヘ』を先に読んだので、何とか読み通すも、カントは馴染みがないためか難解。逆にマルクスについての論考は、面白く読む。次の『世界史の構造』も積ん読ではあるが、読んてみたいと思ふ。

2020/07/11

またの名

この必殺技名感。エビデンスを示した予知能力者を認めずにはいられず同時にそんな思考を自嘲せずにもいられなかった分裂を経験し、マズい合理論には経験論で立ち向かってマズい経験論には合理論で立ち向かうカントの、絶えざる移動と横断を元に批評の再生を試みる。対象を括弧に入れると同時に括弧を外す手法が、ドイツで有効だった観念論批判がフランスでは意味を持たず独仏で有効だった経済理論がイギリスでは無力なのを経験したため、マルクスにも培われたと議論。「中心を持つべき」と「中心を持つべきでない」を綜合した抵抗運動をマジで提示。

2020/03/06

しんすけ

本書には何度も「マルクス主義者」なる単語が登場する。その意味するところは、「マルクスを理解できない者」なる表現に収斂する。確かに「主義者」なる表現には胡散臭いところがある。「経験主義者」は経験に潜む事象の関係性を理解できない者たちであるし、「実践主義者」は現象の裏付けを解読する実践なる行為を理解する者ではない。柄谷行人は現代史の悲劇の主因を、この主義者たちに観ていると云って良い。その意味では、1989年の社会主義圏消失という事態はマルクスにとっても喜ばしい状態だっただろう。

2018/05/02

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