差異の政治学 新版 (岩波現代文庫)
差異の政治学 新版 (岩波現代文庫) / 感想・レビュー
ゆう。
上野社会学、とくにフェミニズムやジェンダーについての力作が並ぶ。個人的には上野社会学に批判的な立場だが、学問や研究の責任に触れることができたのはよかった。政治性について深めたいと思った。
2020/06/11
あんころもち
「ジェンダーに限らず、差異化は必ず「われわれ」と「彼ら」、「内部」と「外部」に非対称な切断線を引くことで、カテゴリー相互の間にも、またカテゴリーの内部にも、権力関係を持ち込む。したがって、政治的でないような差異化は存在しない。「差別のない区別」のような一見中立的な概念も存在しない。p34」彼女のフェミニズムのその最終的な目標は「非対称的な差異化そのものの解体」である。それゆえに、「男と女」とはその一例にすぎない。「健常者と障害者」や「日本人と外国人」という差異化もまた対象である。
2016/01/16
right27
わたしが知っていた上野千鶴子は12.〈わたし〉のメタ社会学にすぎなかったのだなということを知った。日本のリブの文脈と欧米のフェミニズムの相違がおもしろい。
2020/08/09
Kooheysan
タイトルにひかれて読了。「差異化は必ず(中略)非対称な切断線を引くことで、カテゴリー相互の間にも、またカテゴリーの内部にも、権力関係を持ち込む。したがって、政治的でないような差異化は存在しない。『差別ない区別』のような一見中立な概念も存在しない」(p34)あたりの問題意識を持つ方への参考書みたいな本です。セクシュアリティの問題の考察ヒントもたくさんあって、大変勉強になります。
2023/05/18
orange21
フェミニズムの名著50を日本の視線からケリを入れ直すようで、ある程度の包括性があり、平易な言葉でかなり面白い。この数十年間上野千鶴子自身が当事者としていたというのも面白い。もっと文字数使って感想を書きたい感じでかなり面白かったのだが読んだ側から内容を忘れてしまった。
2020/05/11
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