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壮年茂吉「つゆじも」~「ともしび」時代 (岩波現代文庫 文芸 28)

壮年茂吉「つゆじも」~「ともしび」時代 (岩波現代文庫 文芸 28)

壮年茂吉「つゆじも」~「ともしび」時代 (岩波現代文庫 文芸 28)

作家
北杜夫
出版社
岩波書店
発売日
2001-02-16
ISBN
9784006020286
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壮年茂吉「つゆじも」~「ともしび」時代 (岩波現代文庫 文芸 28) / 感想・レビュー

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KAZOO

北杜夫の父親の評伝2作目で、斎藤茂吉の30代後半からの10年間が書かれています。現在の長崎大学医学部での教授時代からドイツへの留学、帰国してからの青山脳病院の焼失後の帰国とあわただしい状況が描かれています。ドイツ語はあまり得意ではなかったようです。北杜夫がその後に行ったドナウエシンゲンのことも書かれています。歌集で言うと「赤光」と「あらたま」時代のころです。

2024/03/12

うえ

「茂吉は長崎へ行く際、妻を同行させなかった…この金屋町の家も一時的なもので、茂吉は東京の家で使っていた女中と二人で暮らしていた。「釈迢空に与ふ」の中で彼はこう書いている。「僕は今二軒長屋のせまいところに住んでゐて、夜になると、来訪者のないときははやく床をのべてその中にもぐつて芭蕉や、『高瀬船』などを読んでゐる。壁一重の向う長屋には二夫婦がゐて、若夫婦が、二階に寝てゐる。寝かへりするのも手にとるようにきこえる。寂しい生活をしてゐると、官能が鋭敏で鈍麻はしない。かういふときには芭蕉のものは割合にわかる」」

2017/12/09

フンフン

息子による茂吉の評伝。今回扱うのは茂吉36歳から47歳まで。普通は、働き盛りの時期だが、茂吉はこの時期に結核にかかり、小康を得たもののドイツ留学で勉学に打ち込み学者を目指したのに、帰国すれば病院が消失していて、老いた義父に代わって病院再建に打ち込むことになった。苦難の時代がすぐれた文学を生むことになった。

2022/04/04

方々亭

北杜夫による父斉藤茂吉の評伝、2巻目。大正6年から昭和3年、年齢でいうと36歳から47歳。ドイツへの留学や、帰国後、留学中に焼失した青山脳病院の再建に奔走するなど、目まぐるしく動いた時期のようだ。しばらく前に読んだ『楡家の人びと』を追体験しているようだった。

2023/10/01

ダイキ

茂吉の子息である北杜夫氏による茂吉伝。四部作の内の二部目の様ですが、一部目は未読です。私は基本的に茂吉の歌は嫌いなのですが、こういうものを読むとやはり親しみが湧いてきますね。ただ、著者が秀歌と評価しているものの殆どが私には諾われません。「「渡欧経験の意外な貧しさ」にしろ、「文明批評の無さ」にしろ、私に言わせれば寧ろ当り前の事であり、茂吉にこれを要求するのは無いものねだりと断言してもよいのではなかろうか。[略]茂吉が生じっか「文明批評」を成す頭脳を持っていたならば、あれだけの秀歌が果して生まれたであろうか」

2018/02/15

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