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日本語と日本人の心 (岩波現代文庫 文芸 51)

日本語と日本人の心 (岩波現代文庫 文芸 51)

日本語と日本人の心 (岩波現代文庫 文芸 51)

作家
大江健三郎
河合隼雄
谷川俊太郎
出版社
岩波書店
発売日
2002-03-15
ISBN
9784006020514
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日本語と日本人の心 (岩波現代文庫 文芸 51) / 感想・レビュー

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井月 奎(いづき けい)

近代以降の日本は西洋を範としてきましたが、言語は日本語を保ち、宗教もキリスト教を国教とはしませんでした。それが文化文明と歴史にねじれを生じさせて現在に至り、弊害や矛盾、面白味すら生みだしているのです。日本語は時間による変化が激しいとはいえ、基本的には同じ言葉ではありますから、古の思考や思いも残された文献や伝承から繙くことができるのです。今を絶対視することも、過去を過大評価することも必要ありません。大切なのは積み重ねた時間と現在を鑑みて、日本人である「自分」がどう思考して行動するか、どう思うか、なのです。

2016/09/22

TSUBASA

大江健三郎、河合隼雄、谷川俊太郎の三人による「日本語と創造性」をテーマにしたシンポジウムの記録。言葉のプロフェッショナルたちが日本語についてざっくばらんに意見を交わす。「創造」についての議論がなかなか興味深い。創造と聞くと何も無い所から新しいものを生み出すように思うけど、文学においては決まりきった言葉を破壊する事が新しいものを作るという事になる。自分の本当に思う事を表現しようとしても、言葉はどこか借り物になってしまう。それを避けるべく、衒いの無い現実に根ざした日本語を使うように心がけたいものです。

2016/12/11

りえこ

素晴らしい本でした。発見がたくさんありました。とてもわかりやすく、確かに!という事がたくさん書かれていました。

2016/04/17

冒頭の河合先生の話では「日本語は世界の中の方言」という発言の他はあまり頭に残らず。けれど対談になってからは恐ろしい密度で、今回一読しただけでは到底理解に及ばない。主語の省略や表音文字と表意文字の混在、書き言葉と話し言葉の乖離など、論点に目新しさはないものの、心理療法士と小説家と詩人それぞれの視点は興味深い。中でも大江さんの主張は、日本語の非論理的な魅力を論理的に表現するというようなもので、理解は出来たが共感できず圧迫感を覚えた。曖昧さを曖昧なまま受け入れ表現する、河合先生や谷川さんの感覚に親しみを感じる。

2018/01/08

ひろみ

小説や詩に限らず、言葉で勝負して生きていこうと思うすべての人、必読なのでは。大江さんと谷川さんのやりとりを読むと小説と詩、それぞれの書き手が想定している読み手が違うということがよく分かる。

2016/12/11

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