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詐欺師の楽園 (岩波現代文庫 文芸 66)

詐欺師の楽園 (岩波現代文庫 文芸 66)

詐欺師の楽園 (岩波現代文庫 文芸 66)

作家
種村季弘
出版社
岩波書店
発売日
2003-01-16
ISBN
9784006020668
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詐欺師の楽園 (岩波現代文庫 文芸 66) / 感想・レビュー

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masabi

【概要】近代ヨーロッパで暗躍した詐欺師達の肖像。【感想】安定したシステムに外からの来訪者がさもシステムの住人であるかの顔をして入り込み、内部に蓄積した富を掠め取っていく。システムは貴族社会だったり宮廷だったり、時に錬金術になる。騙す相手が欲するものを飾り付けて差し出し、金品や次のカモとなる人脈をせしめる。

2022/01/16

Koki Miyachi

18世紀から20世紀にかけてヨーロッパで活躍?いや跳梁跋扈した詐欺師の武勇伝が集められた一冊。詐欺師の振る舞いの根底には、我々も必ず持っている欲望やよこしまな気持ちがあることに気付く。偏った生き方を貫いて生きた詐欺師達の生きざまのシンプルさ潔さが何故か胸を打つ。

2018/05/20

tama

図書館本 以前別の本でこの本を知り興味持ったから。 しかし、文体なのか、リズムなのか、捉え方なのか原因は分からないが、どうにも何かが邪魔で文章に入り込めませんでした。著者の名前は結構前から知ってて興味持った一つはそこなんですが、もう読まないと思う。「博識」が多過ぎたのかもね

2018/01/08

sabosashi

わたしたち小市民は「詐欺」などという怖しい行為とはまったく無縁に生きていると思っている。しかし詐欺は歴史に名を残すこともある。ただしそれは裏街道にかぎられると思っている。かくして著名な詐欺師について詳述が展開されるがその文が心憎いまでに技をみせている。ところがしだいに詐欺という行為も歴史的な産物であり、詐欺を通して歴史を読み取ることが可能だとなると裏街道どころの騒ぎではない。ただしなるべく継承者なるものが生まれないように歴史からはできるかぎり封じられているような格好。マイナーにしてメジャーという世界。

2014/06/02

編集兼発行人

世の中を欺いた様々な西欧人の顛末。賤なる出自の者が技術的な初期投資によって幸運にも上流階級へ食い込んで荒稼ぎする模様を手短に活写。騙す者は騙される者が無意識の内に孕む欲望を見抜いて軽く擽っているに過ぎないのかと思しき事例の数々に屈強な説得力の暗黒面を垣間見る。突出した才能とは本人の自己研鑽と時代の七変化とが幸福にも合致した瞬間に花開いて旬と化すのであり以後の没落を構造的に組み込まざるを得ないのは已む無しかと推察。小規模なら一犯罪者となり大規模なら一国家となり何れにしても「ヘマをする」存在として同義と合点。

2013/07/17

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