荷風好日 (岩波現代文庫 文芸 111)
荷風好日 (岩波現代文庫 文芸 111) / 感想・レビュー
踊る猫
永井荷風という人は私にとってずっとよくわからない人のままでいた。好色な爺さんというイメージはあったのだが、そのイメージはむろん「偏見」にすぎない(流布されたイメージをそのまま受け取る、渡部直己的に言えば「電通的」な安直さだ)。この本を読んで荷風の孤独を知り、本質的に荷風が「見る人」であったがゆえに『濹東綺譚』や『断腸亭日乗』が孤高の作家としての傑作足りえたこと、かつ戦後の荷風が老いさらばえていく定めであったことを知ったように思う。一貫した長編評論ではないのでどこからでも読めて、荷風の魅力に気軽に触れられる
2022/04/23
go
荷風本として読んで損はなかった。川本氏も街歩き好きだからリアリティがある。そして非常に頭に入ってくる文章だった
2022/07/30
Gen Kato
狷介孤高であり、不羈。吝嗇で好色。つまりはヘンなジイさんなのに、生き方そのものに尽きぬ魅力がある。終生独身者の大先達に荷風がいるというのは心強い限りです。
2013/09/01
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