童女入水 (岩波現代文庫 文芸 118 野坂昭如ルネサンス 7)
童女入水 (岩波現代文庫 文芸 118 野坂昭如ルネサンス 7) / 感想・レビュー
康芳英
母親の虐待によって殺される幼女を描いた表題作「童女入水」に代表されるように、少し時代が新しい時期の作品群のせいか戦争や焼け跡といったモチーフが後退し、その分もう一つの野坂作品のテーマである「親と子」が前面に出てきたような印象。この短篇集の中では、おそらく水俣病を題材にした情緒豊かアダムとイブの物語「されど麗しの日々」が一番良かった。
2012/06/06
ふじ
大学生の頃に読んだ「されど麗しの日々」をふと思いだし再読。他、童女入水といい華燭の死門といい、病んで狂った物語を独特の流れるような文体で脳髄に流し込まれてゆくような感覚に、憑かれたように読みふけったことを思い出した。学生時代ほどの気力体力がないせいか、ラスト二編は読み切れずギブ。やはり「されど~」が最も印象深い。水俣病がモチーフだがどうしてもチェルノブイリや311(企業の営利による環境汚染)を連想する……。
2016/05/19
ヤマダ キヨシ
☆☆☆☆
2013/01/27
ベック
薄い本なのに、なんて濃密なんだ!六つの短編のほとんどが年代記のような読み応えだった。
2012/03/11
isbm
★★★
2021/03/27
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