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自由の牢獄 (岩波現代文庫 文芸 128)

自由の牢獄 (岩波現代文庫 文芸 128)

自由の牢獄 (岩波現代文庫 文芸 128)

作家
ミヒャエル・エンデ
Michael Ende
田村 都志夫
出版社
岩波書店
発売日
2007-09-14
ISBN
9784006021283
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自由の牢獄 (岩波現代文庫 文芸 128) / 感想・レビュー

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のっち♬

手記、手紙、奇譚など多様な形式で著者の思索の軌跡が表現された短編8篇。精神世界への郷愁に駆られる「遠い旅路の目的地」や「道しるべの伝説」などは『はてしない物語』に通じるものがある。進むとすべてが縮小する通路、中身がない家、車内住居など空間への関心は建物が主に用いられており、特に白い都市は不気味な美しさを湛えた独創的な夢世界。「ミスライムのカタコンベ」や表題作は神と自由と創造性をテーマに据えた深淵で重厚な作品。読者に特定の解釈を押し付けることなく、主人公の体験を通して別世界に触れさせる点が著者らしいところ。

2021/08/07

えりか

自由とは、無限の可能性から自分で選ぶこと。選ばなかった方こそ正解かもしれないと思うほどに、それは拷問のような苦痛になりえる。もはや自由は不可能。私たちには知識や経験や誘導など頼りになるものがある。でもそれは自由とは言えないし、「決めうる力がないのに、決めねばならぬ苦境から、迷信というものが生まれる。だから迷信は悪魔の仕業なのだ。」選択するとは理由があるはずで、理由を捨ててしまえばその必要もなくなる。欲に流されることなく、無頓着といえるほどの状態に至った時、初めて自由という束縛から解放されるのかもしれない。

2018/06/22

ぺったらぺたら子 

短編のそれぞれが数珠つなぎのように絡み合い、最後にまた最初へと繋がる。『ちょっと小さいのはたしかですが』の、車の中にガレージがある、という事がテーマを良く表していると思う。内と外の関係。自己を外へと向けて求めていくと内へ到達する。外は存在せず、内にしか無い。では内とはどこにあるのか?外にあるのである。 全体に連想したものを列挙する。フローベール『三つの物語』、コンラッド『闇の奥』、ヘルツォーク『アギーレ/神の怒り』、タルコフスキー『ノスタルジア』『ストーカー』、赤瀬川原平『宇宙の缶詰』。

2019/07/29

ないとう

完璧な想像は創造主を飲み込む。

2016/08/16

テツ

『モモ』や『はてしない物語』でおなじみのエンデによる短編集。明確なテーマがすっきりとした短いお話にまとめられていて読みやすい。与えられた自由を持て余してしまう、自由を与えられた人間が自由に選択ができなくなる表題作の『自由の牢獄』と、まさに人生の縮図が描かれている『ミスライムのカタコンベ』が好き。久々に読んだけれどエンデ良いな。

2015/03/27

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