『源氏物語』の男たち 下 (岩波現代文庫 文芸 141)
『源氏物語』の男たち 下 (岩波現代文庫 文芸 141) / 感想・レビュー
優希
個性あふれる男性陣がぞろぞろ登場しています。あまり登場していない男性たちにも視点をあてるのがおせいさんらしいところですね。桐壺帝とか朱雀院とか。宇治十帖にも幅が広がっているのも良いと思います。これを踏まえて源氏物語を読みたいと思います。
2018/07/17
syota
下巻では薫、桐壺院、頭中将、朱雀院、ほか端役数人を取り上げているが、分量的にも内容的にも「薫」の章が圧巻。薫を軸にして、田辺さんの読み解いた宇治十帖の全貌が縦横に語られている。今まで薫のことを悲恋に煩悶する真面目な求道者と思っていたけれど、だいぶ印象が変わった。一言で言えば、世間体を気にする小心で中途半端なフェミニスト。光源氏のようなスーパースターではなく、現代でも普通にいそうな欠点の多い等身大の人物像で、宇治十帖が近代小説に通じるといわれる理由が分かるような気がする。
2019/05/14
はちめ
源氏物語の男たちに焦点を当てるという視点は面白いが、やはり源氏物語は女たちの物語だと思う。紫式部が書きたかったのは平安時代を生きた女たちのことだったと思う。田辺聖子の筆も女たちの生き様を語るときのほうが生き生きとしている。本書では上巻では触れられなかった当時の婚姻制度や物語の中の権力闘争などにも多少触れられているが、ベースは現代の男女関係における恋愛感情にあるので、そのあたりは違和感が残る。好みの問題だが。☆☆☆★
2022/03/27
chisarunn
内容はというと「新・源氏物語」のダイジェストだった。それもかなり荒っぽい。「源氏物語」を読んでない人を想定していない?かも。ともあれ、発行年代が古い本は中身を確認してから読むこと、との教訓にはなった。
2021/07/08
はちめ
頭中が女性に人気があるというのは以外な感じ、人間臭く実際的で地味なイメージだが。上巻に引き続き大変面白く読むことができた。やはり源氏は奥が深い。汲めども尽きぬ泉だな。
2017/10/29
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