ものがたりの余白 エンデが最後に話したこと (岩波現代文庫 文芸 156)
ものがたりの余白 エンデが最後に話したこと (岩波現代文庫 文芸 156) / 感想・レビュー
テツ
ミヒャエル・エンデへのインタビュー。『モモ』や『はてしない物語』そして数々の短編からもわかるけれど、物質的ではなく精神的な価値観で世界を眺め、そうした価値観に基づき生きていくことを良しとしているご様子。御自身の創られた物語もそうした思想がベースになっているんだろうな。明らかに不立文字的な、禅的な思考の積み重ねを読み知るにつれて、エンデが日本で(も)好まれて読み継がれている理由が見えた気がします。積み重ねた思考と彼独自の精神世界から生み出される物語をもっと読みたかった。
2019/10/28
吟遊
エンデの翻訳に携わり、友人でもあった日本人著者によるインタビュー。ほとんどはエンデの語りで構成される。「遊戯」「遊び」(シュピール)についてのエンデ独特の肯定的な視点が面白い。
2018/05/29
shoko
絵を描くように書くことについて、遊びについて、西洋の価値観と東洋の価値観の違いについて、余白について、戦争について、身体性と精神性について、経済システムについて、死について。面白いところと、ちんぷんかんぷんなところとどちらもあった。/ミヒャエル・エンデは「祖国が第二次世界大戦を起こして敗れた」という原体験からか、異文化を通して祖国を批判的に振り返っており、東洋の文化にも造形が深い。外から見た日本文化の記述も興味深かった。
2021/02/07
マネコ
モモやはてしない物語を書いた児童文学作家ミヒャエル・エンデへのインタビューをまとめています。 書くこと、少年時代、思索、夢、死について仲の良かった田村さんを聞き手に、物語に色濃く反映された精神的な価値観を感じることができます。 作品が好きな人はもちろん、ジブリや宮沢賢治作品が好きな人にもおすすめです。
2019/02/08
コスモス
彼が亡くなる前日の対談が収録されていることがこの本の重要さを物語っている。おそらく日本でしか発行されていない?と思うから、日本人として嬉しい。彼が日本人の真理子夫人と結婚していたから最後まで著者と話す機会を持てたのかも?
2023/11/23
感想・レビューをもっと見る