郊外の文学誌 (岩波現代文庫)
郊外の文学誌 (岩波現代文庫) / 感想・レビュー
onasu
東京の郊外、それは明治後期、鉄道の敷設により始まった。そしてそれは、近代文学の新たな場でもあった。 「花袋の代々木、独歩の渋谷」から、大久保、蘆花公園、青山…。花袋が萌えていたのは中央線で、傷心の独歩が散策していた武蔵野とは渋谷で、何れも都会の喧騒から離れた場所に越してきた! そういう今では想像できない、東京の「(当時の)郊外」の街々を文学作品で辿っていく。だから「郊外の文学誌」と称しながら、郊外の方に重みがある…。 おもしろい作品です。ただ、長い&プチ飽きるで、大分時間が掛かってしまいました。
2014/07/14
sashi_mono
東京郊外の発展と推移を小説やエッセイなどの文学作品から読み解いていく評論集。読み応え抜群、引用豊富。本書全体が東京郊外の描写になっている感じ。
2019/11/10
ネムル
郊外はいいなーというぼんやりした気分をより精緻に楽しむために、とても重宝している。
2021/08/10
コホン
色々な小説・映画をもとに東京が広がっていく過程を書かれているのですが、読みづらくて時間がかかる。これって、東京の土地勘がない人はどこまで面白いと感じるんだろうと気にかかる。
2015/09/27
Yonowaaru
国木田や永井などある程度知っている名前から、庄野潤三など初耳の名前を通して、東京の様々な「郊外」を渡り歩くアカデミックに少し近いエッセイ集。「東京はただひたすら西に広がって生まれた」という主張はいくらでも突っ込みどころは残るにせよ、新しい視点や初めて聞く話がいっぱいあり、楽しく読めた。街歩きがまた楽しくなる。
2024/02/25
感想・レビューをもっと見る