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大人にはわからない日本文学史 (岩波現代文庫)

大人にはわからない日本文学史 (岩波現代文庫)

大人にはわからない日本文学史 (岩波現代文庫)

作家
高橋源一郎
出版社
岩波書店
発売日
2013-06-15
ISBN
9784006022235
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大人にはわからない日本文学史 (岩波現代文庫) / 感想・レビュー

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佐島楓

歴史や社会構造という規定されたものから完全に自由になった小説というものを読んでみたいけれど、おそらく無理(書くのはもっと無理)なのだろう。講演の動画を観たら高橋先生ご自身も小説の背景にある時代を意識して読め、的なことをおっしゃっていた。うむむ、でもそれでも、限界を壊すのがアーティストなのではないのか。ふわっとした感想しか持てない自分がどうにももどかしい。

2018/04/07

ちぇけら

高橋源一郎は言う。綿矢りさを読むと樋口一葉や国木田独歩の『武蔵野』が思い出されると。同時代に書かれた『蒲団』と『道草』よりも、『蒲団』と『恋空』のほうが似ていると。穂村弘の『短歌の友人』で書かれていることは、近代から現代の小説についてでも同じではないかと。小説の世界にいながら、小説についてこれだけ考えられる源一郎さんはめちゃくちゃすごい。小説はこれまでもこれからも、きっと同じようなことを描き続けるのかもしれない。あるいは、「私」が消えた世界で、新たな小説が生まれるのかもしれない。

2019/05/19

ころこ

普通のひとが見過ごしてしまうものに立ち止まり、大きく驚く、著者の小説はそのようなものを書いてきましたが、本書についても同様の問題意識がうかがえます。2日目にある、綿矢りさ『インストール』が国木田独歩『武蔵野』に触発されて書かれたという事実はないでしょう。むしろ、そのように解釈していくことで、文学史をつくっていく。本書で行われているのは、既に出来合いの文学史を語ることではなく、講演で語ったこととその再構成の仕事のうちにも、「文学」の生成は行われているということです。同じく2日目に、小説と詩の違いとして、小説

2018/02/23

koke

再読。解説で穂村弘が言うように、現在と過去、小説と詩歌など、互いの外部であるような組み合わせを利用して「リアルタイムの文学史」を可能にしている。なるほど、過去の小説を読むことで現在の小説が読める、現在の小説を読むことで過去の小説が読める、というのが文学史の一番の効用かもしれない。たとえば今「現在しかない」小説が書かれていると言うが、著者は「歴史のある」小説と対照してそれについて考えている。歴史意識のない私にふさわしい小説だが、歴史意識のある小説との対比ではじめてその特徴が際立ってくるわけだ。

2024/07/19

りょう

高校の時の文学史の授業が素晴らしくつまらなかったので、それ以来文学史に触れることはなかった。まあしかしこの本を読むと、文学史は作者-作品名の暗記なんかではなくて、ちゃんと『歴史』なんだなということを気づかせてくれるわけでして、そして筆者の論がなかなか結構、面白いわけです。でもまあ、このレベルを国語の先生に求めるのは流石に酷か。

2014/06/02

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