アンパンマンの遺書 (岩波現代文庫)
アンパンマンの遺書 (岩波現代文庫) / 感想・レビュー
はっせー
たまたまBOOKOFFに売っていたため買ってみた。やなせたかしさん。言わずと知れたアンパンマンの作者である。アンパンマンの何かあったときにパンを差し伸べる姿や顔が濡れて力が出ない様など色んなことを思い出す。そんなアンパンマンを創作するにあたってなぜこのような設定にしたのかなどの考え方はやなせたかしさんの人生の中に散りばめてあったのである。このほんはそんなやなせたかしさんの人生をまとめた自伝のような本になっている!温かい言葉とともに辛い日々やたのしかった日々を回想しまさにこの本が遺書のように感じる!
2022/09/12
あすなろ
我が愛息が今夢中なものの1つ、アンパンマン。観るとはなしに観ているアンパンマンのキャラクターがどうにも不思議だった。食べられてしまう…。なのでこの本の存在を知った時読んでみたくなった。本当の正義というものは、決して格好いいものでもないし、その為に必ず自分も傷つくもの。それを恰も顔パスの反対語のように表装し、顔がなくなってしまったアンパンマンはエネルギーを失って失速する。ナルホド!白紙の幼稚園児に好かれたアンパンマンにたじろいだ遅咲きのやなせさんの心に触れて、今日もアンパンマンのマーチを聴くこととしよう。
2018/08/13
アキ
「なんのために生まれて、なにをして生きるのか、わからないままおわる、そんなのはいやだ」アンパンマンの誕生はやなせたかし69歳の時。最初は顔を食べさせて顔がなくなってしまったアンパンマンが空を飛ぶところを描いた。「ほんとうの正義というものは、けっしてかっこいいものではないし、そしてそのためにかならず自分も深く傷つくものです」とあとがきに書いた。94歳で亡くなる直前に書かれた「おしまいのごあいさつ」も前向きである。先日マラソンでアンパンマンの姿で走る人がいた。子どもたちの声援がひときわ高く秋空に響いていた。
2019/11/18
ぶんこ
兵隊に行き戦後を体験したからこその「正義は或る日突然逆転する。逆転しない正義はとは献身と愛だ。眼の前で餓死しそうな人がいるとすれば、その人に一片のパンを与えること。これがアンパンマンの原点」とありました。私は子供もいないのでアンパンマンとは縁がありませんでしたが、著者のお人柄は尊敬しています。関わった方々を誰一人として貶しておらず、常に感謝されていました。永六輔さんから始まった、素人に近い著者への様々な仕事の依頼も、お人柄を見込んでのことと思えました。奥様への愛情にもお人柄が現れていて感動しました。
2019/03/06
トムトム
やなせ先生が歌うと、アンパンマンの主題歌も手のひらを太陽にも力強いロックになる。人の一生は予想のつかない事の連続で、結果としてそうなるものなんだと感じました。やなせさん、すごい!
2020/12/17
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