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ファンタジーと言葉 (岩波現代文庫)

ファンタジーと言葉 (岩波現代文庫)

ファンタジーと言葉 (岩波現代文庫)

作家
アーシュラ・K・ル=グウィン
青木 由紀子
出版社
岩波書店
発売日
2015-03-18
ISBN
9784006022600
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ファンタジーと言葉 (岩波現代文庫) / 感想・レビュー

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Die-Go

追悼ル=グウィン。図書館本。名高き『ゲド戦記』の著者ル=グウィンが、主に「言葉」について語るエッセイ・評論集。ル=グウィンのものを書くことに対する姿勢が存分に窺える。セクシャルなことに対しての言及もあり、ル=グウィンのジェンダーの視点がかいま見えるのも面白い。★★★☆☆

2018/02/20

アムリタ

「エッセイの国には竜がいないから居心地が良くない」と言うル=グウィンのエッセイ!鋭い知性と、正直さという美徳。彼女は物語の「産婆」の役割を最後まで担い通した。 ファンタジーやSFを文学的に価値が低いとみなされることに対し痛烈に批判し、リアリズムとフィクションの違いは想像力であり、想像力こそが闇を変容、変貌させる竜なのだと言う。 読むことは物語を生きること。能動的で神秘的な行為であり、読者はそれを内的で私的な現実へと変換するのだと。 途中難解で読みにくいところもあっだけれど、後半ぐいぐいと読ませる。すごい。

2021/04/24

はづき

ファンタジーが、物語が読みたくなる!! 理知的、理性的、倫理的と、感覚を語るときすら「理」が似合う文章でした。素敵な大人の女性。小学生のときに読んだゲド戦記の記憶はほとんどうすれてるけど、たしかにそんなメッセージこもっていたなとあらためて。ゲド戦記、読み返したいなぁ。

2016/01/06

antoinette

原題はヴァージニア・ウルフが言葉より遥かに深いところにある創造のリズムを呼んだ「心のなかの波(The Wave in the Mind)」。「ファンタジーと言葉」では読者が限定される危惧があるし、しかも内容はファンタジーのことばかりでもないので、誰も得をしない改題ではないかなあ。――内容はただただ素晴らしいエッセイ集で安定のル=グイン節ハズレなし。何から感想を書けばいいのやらわからないくらいトピックは多岐に亘るが、個人的には、「眠り姫」の美しい解釈を示した「内なる荒地」が好き。(続く

2017/02/04

roughfractus02

作品が書けなくなると、著者は登場人物の声を聞き、風景から言葉が掴めるようになるまで「待つ」のだという。人間が自らの想像力で作品を創造するのではなく、自然が形を与えてくれるまで待つという姿勢は、幼い頃人類学者の父母に聞かされた異文化との遭遇や実際に「インディアンのおじさん」との出会い以来続いているようだ。この姿勢が自然を対象と捉えて搾取し、目的を作って意識を祭り上げる男性中心の近代社会や、想像力を人間の脳=心に還元するリアリズム小説への批判となる。本書を読み終えると、シャーマンの声を聞いたような余韻が残る。

2024/01/30

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