アニメーション,折りにふれて (岩波現代文庫 文芸 309)
アニメーション,折りにふれて (岩波現代文庫 文芸 309) / 感想・レビュー
ムッネニーク
120冊目『アニメーション、折にふれて』(高畑勲 著、2019年7月、岩波書店) アニメーション監督・高畑勲によるエッセイ集。巻末には高畑から薫陶を受けたアニメ監督・片渕須直による解説を収録。 日本語の発音や戦争、農村文化や演出論まで、アニメーションを軸に様々な話題を縦横無尽に語る。アニメ監督・富野由悠季の言葉に「想像力とは学力」というものがあるが、高畑勲の遺した文章を読むとこの言葉の意味がよくわかる。 〈私は、喫煙が病気であることも、自身がその患者であることも認めません〉
2024/09/18
jamko
高畑勲展を見た後に買ったもう一冊がこちら。本書のかぐや姫考がすごい。企画展で見た資料からもよくわかるが、企画段階で徹底的に登場人物たちの行動の動機を詰める。詰めまくる。本書を読めば「かぐや姫の物語」が決して突飛な解釈でなかったことがよくわかる。また、〈思い入れ〉型の感情移入と〈思いやり〉型の感情移入の違いと、〈思い入れ〉型ばかりの日本アニメに警鐘を鳴らしてるのが興味深かった。〈思い入れ〉型は主人公と観客の同化。主観的に感情を揺すぶられる。客観的視点や想像力の余地がない。→
2019/09/25
DEN2RO
昨年亡くなった著者の生前最後のエッセイ集の文庫化です。「思い入れ」によるドキドキではなく、「思いやり」によるハラハラを映画にしたいとの考えが印象的でした。主人公に入れ込む主観的なアニメ映画ではなく、客観的に見ながらも主人公を思いやる作品を目指したようです。
2019/09/21
skr-shower
アニメが日本の売り込みコンテンツとなる前から、熱を持って調べこみ作っていたのだとのしかかられる想いがある。「かぐや姫」は不思議に思っていた事が企画に盛り込まれていてフムフムという感じ。戦争・9条に関しては、少しの違和感有り。
2019/08/18
源次/びめいだー
高畑勲監督の生前最後のエッセイ集。良かったです。
2024/10/01
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