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霧の犬: a dog in the fog (岩波現代文庫 文芸 文芸331)

霧の犬: a dog in the fog (岩波現代文庫 文芸 文芸331)

霧の犬: a dog in the fog (岩波現代文庫 文芸 文芸331)

作家
辺見庸
出版社
岩波書店
発売日
2021-02-18
ISBN
9784006023317
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霧の犬: a dog in the fog (岩波現代文庫 文芸 文芸331) / 感想・レビュー

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hasegawa noboru

現実の崩壊、溶融などと概括してはいけないのだろう。が、唖然としてことばを失う現実に対して(例えば新型コロナ感染拡大下の五輪強行)に対峙するにどういうことばが可能かということをしきりに思った。<ことばはこわれていた。ことばは内部からこわれていた。意味はほとんど無意味だった。>ここまで来たら五輪中止反対もない、アスリートたちを応援するだけだというような俗情と結託した意味ありげなさかしらを作者は最も忌み嫌う。あるのはシデムシたちがはいまわる<現象と結果の縁>だけだ。古語、なまり、破格文法による造語などを交えて

2021/07/16

さっちも

不快なはずの景色、味、音、匂い。それらが意外にも馴染んだり、好ましく思えたりする嗜好が人にはあると思う。そんな変態性をこれでもかと詩句のような文体で小説に仕立てている。「結構正露丸の匂いって嫌いじゃないんだけど」みたいな

2023/03/25

魚53

「カラスアゲハ」「満月」「アプザイレン」と読み進めて、「霧の犬」になり、遅読がますます遅読になる。読んでいるうちに自分も霧に包まれて頭が限りなくぼんやりしてくる。謎の登場人物たち、名前は失われ、記号のようなひらがな一文字。頭がツルツルの女に足を洗われ続ける私。いつの間にか私が女になり女の足を洗う。私が他の誰かであるのかないのか、世界が存在するのかしないのか全ては霧の中の出来事。ぼんやりしている最中にも何か良からぬことが進行中のようである。無蓋貨車で戦車が運ばれ、街は荒廃。しかし、それが何かも霧の中である。

2022/12/25

カケル

『青い花』続編、というかさらなるアップデートバージョン。吾妻ひでお『夜の魚』とも共鳴する黙示録的傑作。

2023/12/05

takao

ふむ

2023/06/28

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