ドストエフスキーとの旅: 遍歴する魂の記録 (岩波現代文庫 文芸 340)
ドストエフスキーとの旅: 遍歴する魂の記録 (岩波現代文庫 文芸 340) / 感想・レビュー
Sam
衝撃的に面白かった「謎解き『罪と罰』」の著者の本と勘違いして購入してしまった。途中で気付いたがせっかくなので読了。著者によれば「人間のだれもが、すべての人、すべてのものに対して罪がある」いう世界観がドストエフスキーの作品の根幹を成すという。そしてこの世界観に惹かれた著者がドストエフスキーに関する学会やら史跡巡りやらで世界中を駆け巡り、行く先々でさまざまな出来事や発見に出会うさまを描く。まるで妄念に憑かれたような人で、ドストエフスキーの研究者ともなればこうでなきゃいけないんだろうかなどと妙に感心もした。
2021/11/20
しおり
翻訳者、しかもドストエフスキーの翻訳をしている人はいったいどんな人だろうかと今まで想像していて、今回少しだけ霧が晴れた。本に没入する力というか、現実の体験と本のそれを融合させる力がずば抜けている。本の表紙にあるように、本を絨毯に世界を駆けまわれるのだろうなと思った。部屋にこもるイメージがあったけど、移動に次ぐ移動。エネルギッシュだった。年を経ても変わらない情熱に脱帽した
2022/03/31
aoi
めちゃくちゃ面白かったぁぁぁァァァァ!!!!! 光文社古典新訳文庫で亀山さん訳のドストエフスキーの本を読んでからご本人の本を読んでみたくて手にとった。 感傷的で憐憫癖のある著者がドストエフスキーやドストエフスキーの作品と引っ付いたり離れたりしたがら時間や土地を行き来する。時間旅行のような、現実と文学作品の世界を行き交うような感覚に気持ち良さを覚えた。 もっと亀山さんの本を読みたーーい。
2022/01/02
amanon
数頁程のごく短いエッセイを集めたものだが、殆どそのどれもに、ドラマというべき、熱い展開が綴られていて、ぐいぐい引き込まれ、一気読み。とりわけ惹きつけられたのが、著者自ら文学少年と呼んだ、『罪と罰』の読書体験から大学時代までの読書遍歴。とにかくその早熟な読書歴に深い憧憬と嫉妬を覚えてしまう。それともちろん忘れていけないのは、タイトルにもある著者の旅行記。恐らく、今後足を踏み入れることのない、ロシアを中心とするドストエフスキーゆかりの地の描写に、少なからず興奮を覚える。また巻末で触れられるコロナ禍が重たい。
2024/01/26
ソフィ
ザ・求道者の世界だった。それにしてもドストエフスキー関連の会議やイベントってこんなにたくさん行なわれているのだなあ。
2022/01/09
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