ほんとうのリーダーのみつけかた 増補版 (岩波現代文庫)
ほんとうのリーダーのみつけかた 増補版 (岩波現代文庫) / 感想・レビュー
あすなろ
書店で惹かれて購入した一冊。同調圧力があまりにも強まっている現代に梨木氏が子供達に説く。違っていていいと言いながらもそれが否定される事が蔓延する社会。そんな渦中の中、救えるのは自分なのかもしれない。否、自分の中にいる貴方自身のリーダーなのだ、と。そのリーダーを自分で育成して欲しいという。え、そうかな?と思ったことや言葉を大事にする事から始めては、という。自分が自分を信じてやる、信じて導いていく。難しいとも思うが、一つの解法だと思ったのである。そして、梨木さんの知らない一面も知れた一冊。
2022/05/29
たかこ
増補の部分「引っ掛かる力、そして新しいXさんの出現を――『村八分の記』(石川さつき著)を読む」が読みたくてこちらも。とても考えさせられる。同調圧力がある中で不正を問いただす力、それによる反動。群れの中で生きる者として、仲間を売る行為なのか正しいことを突き通すのか。「細胞」の生き方、日本国民はいざ事あらば、一つの生き物の個々の細胞のような動きをするところがある。「日本国民」として生きることを教育された結果、「忠君愛国」だった時代も…。引っ掛かることを蔑ろにせず、声をあげること。またしても深く考えさせれる。
2023/09/22
ちゅんさん
前から気になってた本、書店で見つけて即購入。読んでみてなぜこの本がこんなに早く文庫化されたのか、考えさせられる。今ならまだ間に合う。“民主主義はほんの少し前のめりに意識しないと手にし続けられないもの”と著者は言う。私たち一人ひとりが少し前のめりになるだけで社会は変えられるはず。
2022/05/26
長くつしたのピッピ
著者のイメージは著作から決して声高ではなく、静かに多くの事を示唆してくれる。こちらは『僕は、そして僕たちはどう生きるか』の講演録なので、生の声を聴いているようだった。ティーンエイジャーに向かった自分の言葉で分かりやすくかつ大切な事を語りかけている印象だった。大人になってから出会った作家だが、自分の子育てに少なからず影響を受けたような気がする。
2022/07/13
海燕
3年前に単行本で読んだものを、増補版として文庫で再読。標題作のほか、科学教育において人間性が忘れられていると指摘する「この年月、日本人が置き去りにしてきたもの」、戦後間もない時代、ある農村の高校生が村での選挙違反を暴いたことから村八分にされた出来事をつづる「ひっ掛かる力、そして新しいXさんの出現を」など収録。この2作などかなり理想に寄り添った考え方、こうあるべきという姿を主張されるのだが、現実はそう簡単にはいかない面もやはりある。‥そのように考えてしまう私自身、既に大事なものを「置き去り」にしているのだ。
2024/01/01
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