キネマと砲聲―日中映画前史 (岩波現代文庫)
キネマと砲聲―日中映画前史 (岩波現代文庫) / 感想・レビュー
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日中戦争という難しい状況の中、中国で映画を作る事に情熱を傾けた川喜多長政を中心に、日中映画人の交流と主要な作品群について解説した貴重な本。川喜多は日本の国策として上海に作られた中華電影の実質的トップであり、やはり国策として作られた甘粕正彦率いる満州映画協会と共に、それぞれ違った方法で両国共同の映画作りを模索していく。終戦後、中華電影に協力した中国人は香港に逃れ香港映画勃興の礎となり、満映の日本人は中国に居残り映画人材の育成に貢献する。歴史というのは面白い。
2017/12/09
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