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いじめの記号論 (岩波現代文庫 社会 148)

いじめの記号論 (岩波現代文庫 社会 148)

いじめの記号論 (岩波現代文庫 社会 148)

作家
山口昌男
出版社
岩波書店
発売日
2007-02-16
ISBN
9784006031480
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いじめの記号論 (岩波現代文庫 社会 148) / 感想・レビュー

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ダージリン

山口昌男らしい自由な論考。どこの社会にもある排除の論理を軽やかな語り口で鮮やかに描き出している。「いじめ」とタイトルをつけるのは誤解を招く怖れがある気がする。文化人類学者のもっと幅広い視点を堪能出来る。カーニバルに見るエントロピーの解消などは特に面白かった。人文学でエントロピーを持ち出すのは最近あまり見かけなくなったが、個人的には好きなテーマである。

2015/12/13

Nabe

自らのアイデンティティを確保するために自分と違うものを排除する。"排除されやすい特性を持った人"がいる。不本意でも作られたいじめられっこなどという役割を演じてしまう。これらの話が印象的でした。

2014/05/15

壱萬参仟縁

いじめ問題は2007年にみのもんたの朝ズバッでムックが出ていた。今、大津市の問題が世間を騒がしており、本著を借りるに至った。「いじめとは、強者であり、より多数である集団が、劣っていると思われる個人を攻撃にさらすということがゆるい状態で形成されること」(44ページ)という定義。ゆるい状態というのが、傍観者を多数生む背景に思える。また、「人間が片隅のほうに押しやろうとするものが、正統の地位を次第次第に与えられてきている」(201ページ)ともあるように、疎外された者からの反システム運動という捉え方も可能か。

2012/07/24

bittersweet symphony

山口昌男氏の社会問題についての直接的な言及があまり記憶になかったので気になって読んでみました。が、いじめ・学校問題の話題は殆どなく、それも含めていつものトリックスター論でした。社会的な安定を確保するための装置としての祝祭論・トリックスター・スケープゴート論なわけですが、近代民主主義を経由した自由・博愛・平等の精神からは乖離しているので、その辺の折り合いはどう考えても個人を犠牲にしないとつけられないですね。これは家族論や家庭論でもそうでして、多分SFの世界に踏み込まないと解決しない問題だと思います。

2007/06/25

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