生きにくい子どもたち: カウンセリング日誌から (岩波現代文庫 社会 182)
生きにくい子どもたち: カウンセリング日誌から (岩波現代文庫 社会 182) / 感想・レビュー
くりこ
様々な理由で普通に適応して生きていくことができなくなってしまった子どもたちのカウンセリングの記録と考察の本です。生きていくために手放してしまったこと、失ったものを取り戻して育ち直していく過程に寄り添うことの難しさをひしひしと感じました。
2018/09/18
bittersweet symphony
著者は河合隼雄さんの弟子筋にあたる心理療法カウンセラー/学者さん。2人の実例を通じて、子どもの子どもならではの世界とのアダプテーションから、大人として一般社会へ組み込まれていく際の順応が内的・外的要因によって阻害されることをいかに考えるかを問うているものです。いろんな要因がありますが社会全体が幼稚化していたり社会に対する不適応の度合いが大きくなったりというのは、子どもの世界観を上手く成熟した大人の世界観に適応できるような道筋を社会全体がつけられないという要因がやはり大きいのではというのが実感ですね。
2009/07/31
海野藻屑
異界がなくなるほど悲しいことはないと思う。自分だけではないだろう、自分だけの楽園を捨てられないのは。
2017/08/01
TOMTOM
様々な症例を取り上げているかとおもったのですが、メインは二人。二人目の症例を丁寧に描かれていて、症状としての表層だけをみていても解決しないのだと、臨床心理の難しさを感じました。あとがきにあった、この本のための書き下ろしである谷川俊太郎氏の詩には涙でした。
2009/06/14
ゆるこ
たまたま図書館で見つけて引き込まれた。「異界」の力を知った。 自分の全てを賭けて子どもと真剣に対峙する筆者の息づかいが伝わってきて、こちらまで緊張して息が苦しくなる場面もあった。 もう一度ゆっくり読み直さねば。
2019/08/28
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