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河合隼雄の読書人生――深層意識への道 (岩波現代文庫)

河合隼雄の読書人生――深層意識への道 (岩波現代文庫)

河合隼雄の読書人生――深層意識への道 (岩波現代文庫)

作家
河合隼雄
出版社
岩波書店
発売日
2015-04-17
ISBN
9784006032852
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河合隼雄の読書人生――深層意識への道 (岩波現代文庫) / 感想・レビュー

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きょちょ

河合先生のお薦め本は、学問的な本はその分野に関心があるかないかで異なるが、小説だと「あたり」が多い。 今までのお薦め本は大半読んだので、他にないか知る意味でこの本を読んだ。 重複する作品もあったが、新たに読んでみたいものも増えたのがうれしい。 また、先生が出会った人たちの人柄も、より一層知れたという意義もあった。 ★★★

2019/08/30

kakoboo

これは面白かった! 河合隼雄さんの人生の機転やキーとなるテーマ(アメリカ留学、ユング研究所、児童文学、仏教、日本人について)に沿って役立った本のお話が書かれています。なのでユング研究、臨床心理といった専門的なことについても本を絡めて紹介しているので、専門の勉強にもなるし、他の河合隼雄作品にもつながっていきそうです。幼い頃の読書体験が50、60歳頃ふと役立つことがあるといった内容や、IT化が齎す情報の海と読書の関係については特に共感できてよかったです。やっぱりこの人すごい!

2015/06/24

roughfractus02

200冊以上の本との出会いを著者の履歴に重ねると、時と共に因果性から相関性へ、論理から物語へ、無意識から深層意識へ、西洋から東洋へ、話すから聞くへ、治すから治るへ、のような重点移動が見られる。戦時思想に抗する力を与える西洋の本、高校で生徒との対話から読み始める心理学の本、訪米中の異文化体験から自身を見つめるために読む仏教の本、ユングやノイマンを読むうちに重要性を増す物語や児童文学の本。本との出会いは著者を未知の領域に誘うが、それらが見渡せるなら曼荼羅的な布置(コンステレーション)を作っているように思える。

2022/12/26

阪口まな

苦手なフロイトを知ろうと思ったらいろいろと誤解は解けたのだけれどもやっぱり苦手でユングに興味が傾いた。著者の『ユング心理学入門』が笑いあり涙ありで大変おもしろくて(時代に合わないところもあったけれど)本書はさらに良かった。1冊を読みながら次々と読みたい本をメモしたのでこれから大変そうだ。自然科学と神話の中隔、トリックスター、この世界がカラフルに楽しい場所のように思えてくる。やたらと(笑)が多いのは気になる。下手すると2行に(笑)が並ぶところもある。はたして深淵な意味があるのか(笑)ひっかかってしまう(笑)

2023/05/11

nano

河合隼雄の読書遍歴。 心理分析家として、海外に渡ることで、スタンスを西洋主義から東洋主義に回帰し、日本、そして世界で、東洋人としての臨床心理学者のパイオニアとして活躍するまでの、ターニングポイントになった本が知れる。 作者は臨終心理学の「核」として、世界中の神話など、「物語」が重要だと説く。 そして、これが意外だったのが、患者の診察では、「ああしろ、こうしろ」ではなく、「そうなんですか、はぁ〜、へぇ〜」などと、「聞く」に徹して、ひたすら「なにもしない」ことが、患者の回復への一番の近道だということだ。

2020/11/10

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