暗夜行路 (旺文社文庫 24-1)
暗夜行路 (旺文社文庫 24-1) / 感想・レビュー
ノイス
多くの女性たちとの関係、自らの出生、結婚後には長男の病死に妻の不義。苗字が"時任"だからかつくづく不幸が絶えない主人公だが、放蕩を繰り返しつつも事実と何より自己と向き合っていく様はまさに暗夜行路の道中と言える。最後は妻の視点で終わるが、謙作はやはり耐えたことと思う。それにしても自然や動物の描写が美しく、情景が鮮明に思い浮かばれるのは素晴らしい。ところで解説の最後に武者小路実篤が選ばれているのは、なかなか面白い。
2014/05/17
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