天平の甍 (旺文社文庫)
天平の甍 (旺文社文庫) / 感想・レビュー
だまし売りNo
受戒は資格のある僧が行う必要がある。そのために奈良時代の日本は唐から鑑真を招いた。鑑真は苦労に苦労を重ねて日本に辿り着いた。日本への渡航の許可が下りなかったため、無許可で日本に行こうとしたが、計画が漏れて失敗する。出港しても船が遭難することを繰り返した。
2022/06/22
Hiro
前に読んだ「敦煌」と同じく、歴史上の偉大な出来事を、かかわった個々のはかない人間の気高くもあり脆くもある生き方を通して抑制的に描き出している。「あすなろ物語」にはさほど惹かれなかったが、やはり著者は凄い作家と思う。特に多言を要さずに本質に迫り人生の虚無的で詩的な面を浮かび上がらせる手際の見事さ。併録されている「補陀落渡海記」も残酷な奇習に翻弄される僧侶を描いて秀逸。今は出回っていない旺文社文庫巻末の、著者の代表作案内を読みながらあれもこれもともっと読みたくなった。
2024/03/07
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