王様の背中 (旺文社文庫 121-36)
王様の背中 (旺文社文庫 121-36) / 感想・レビュー
mawaji
「ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち」に取り上げられていたのを見てアマゾン古書で購入。792円。ぱらぱらめくつて眺めてみると、イソツプ物語のやうに箴言に富んだ物語であらうかと読み始めたら序で「この本のお話には、教訓はなんにも含まれて居りません」といふことなので、安心して読むことができました。谷中安規先生の美しい版画は本当に切り取って額装したいくらひです。旧仮名遣いのルビもなんだかほのぼのとした感じ。雑記の高田保との対談もまたとぼけた様子でまさに息抜きのような閑談。これはこれで読んでみたい。
2018/11/03
三柴ゆよし
なさそうであった百閒先生の童話集。前後の脈絡なしに身体中が痒くてたまらなくなる王様の話とか、動物園の檻のなかで重要な勘違いをしながらもノンビリ暮らす狸の話とか、桃太郎の桃を食う猪の話とか、毒にも薬にもならない、教訓皆無な童話の数々。「狐の裁判」だけは創作でなく、ドイツの動物叙事詩「ライネケ狐」の翻訳。こちらはちゃんと百閒先生の教訓付き。曰く、「どんなに正しい者でも、どんなに強いものでも、智慧がなかつたら、悪者に勝つことができない」だそうです。後味わるーい。
2009/09/03
めめたそ
百ケン先生、やっぱ面白い!教訓もオチもない童話?集。後半の翻案物は不条理な結末だし。不思議な人だわー。でも妙にハマるというか。他も読んでみたいぞ。
2010/04/28
tei
何の教訓も含んでいないのだからあんまりうがった見方をするものではない、というスタンス、大好きです。何はともあれ、特製本を見て見たいものです。
2011/05/31
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