幻想綺帖 二 玉藻の前 (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)
幻想綺帖 二 玉藻の前 (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス) / 感想・レビュー
あたびー
岡本綺堂の原作を漫画化。波津彬子氏の平安ものは初めて読んだ。今度は原作読まないとな。
2021/10/22
りらこ
さちみりほさんのを読んだので読み比べのために読了。波津さんのこちらの方が岡本綺堂氏の文章そのままと、詳細が描かれていてわからなかった部分が判明。ページ数の関係もあるのでしょうけれど、こちらはその点が良かった。さちみさんの方は、玉藻の前の残虐性と妖の性格を前面に出したもの、波津さんの方は人間関係を軸にしたものといった印象。真実はもしも1人の女性が生き残るために口八丁でいろいろ画策し、その結果色香に翻弄された事件があって、それを狐のせいにしたりしてるのかしら?と思ったり。
2021/11/14
井月 奎(いづき けい)
ふとした表情などを絵柄でみせる漫画は、それによって想像の方向をある程度限定します。ですから映像化、漫画化した小説、戯曲は原作も読むことが肝要であると思うのです。で、この物語ですが、妖狐や塚の中の黒髪につかまった藻は玉藻となり、その玉藻を救おうとする千枝松、藻からは「千枝ま」と呼ばれる。は千枝太郎となり陰陽師の修行を得ます。二人は死によって引き離され、死によって結ばれます。それは運命なのでしょうか?ちがいます。藻と千枝まに戻った二人は誰も近づくことのできない殺生石に抱かれて、二人自ら結ばれたのです。
2016/05/07
天の川
岡本綺堂原作の「玉藻の前」の耽美な世界を堪能しました。九尾の狐にその身を乗っ取られてしまっても、意識の奥の奥のその奥深くで千枝松を恋う藻は生きていたのでしょう。幼いときからの呼び方「千枝ま…」とつぶやく時の玉藻が切ないです。あとがきで波津さんが書かれていた、わたなべまさこの『青いきつね火』、私も記憶にあります(子どもだったので、すっごく怖かった)。
2014/03/01
藤月はな(灯れ松明の火)
「半七捕物帳」シリーズで御馴染みの岡本綺堂先生による幽玄美溢れる「玉藻の前」と硬質な美しさを兼ね備えた波津さんの素敵な組み合わせにひたすら陶然としました。原作で使われた言葉を使っているのも作品のぞっとするほど美しい雰囲気を壊していなくていいです。互いのことを想い、執着しているのに別々の道を歩まねばならなかった2人の最後は切ないです。波津さんのあとがきには思わず、笑ってしまいました^^
2011/05/07
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