ネクロポリス 下
ネクロポリス 下 / 感想・レビュー
ゆきちん
死者の町で次々と事件が起こり、あまりに事件が多すぎて、そもそも何が一番だったか忘れそうになるくらいの風呂敷の広げっぷり。ファンタジーにミステリー、ホラーの要素まで出てきて読みごたえ抜群。ただ、残りページが少ないのにこの風呂敷はたためるのか不安になったところで、SFの力技どーん。盛りだくさんとしか言えないわ。こういうラストは、この本にふさわしいと思う。
2018/09/08
藤月はな(灯れ松明の火)
辻村深月さんの「ツナグ」では一人につき一夜の一回、一人の死者に会えるという決まりがあり、「炎の蜃気楼」では四国が死者が生者と一緒に留まれるという出島のような地に変形させられた。本来は限られた時期と場所でしか存在できない死者と生者、過去と現在の境目が曖昧になり、自分たちの世界に介入してくるというという恐れは原始的な恐怖でもあるのかもしれません。ラストの彼らは「夢違」でも象徴された存在になったかもしれないという仄めかしがぞっとしました。最近、観察したら灰色の瘡蓋で覆われたような脚だったので気味が悪かったです。
2012/09/23
そのぼん
生と死の狭間の世界の物語。細かいことは考えずに、雰囲気を味わいました。ヨーロッパの雰囲気と昔の二本の雰囲気が混ざりあっているところも、さらに不思議な味わいを醸し出していました。
2012/09/22
だんたろう
文化、宗教、時間、人、異なるものの融合が面白い。ひょっとしたら、そんな時代が来ていたかもしれない。いや、あったのかもしれない。そんなつかみ所のないようで、ありそうな話の王道ともいえる作品。視点だけでなく、時間も変えると、面白いものが見えてくるのだろうか。自分の役割や、定めを意識させられる。
2012/08/08
藤月はな(灯れ松明の火)
Vファーで起こった出来事への真相と事実になぜかぞっとしました。ラストのぞっとするような雰囲気にも思わず、にやりとしてしまいました。和と洋の民学が入り混じった不思議な読後が味わえる作品でしたね^^
2010/09/23
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