渡辺淳一自選短篇コレクション 第2巻
渡辺淳一自選短篇コレクション 第2巻 / 感想・レビュー
Ryoichi Ito
渡辺淳一が医師の時代の『プレパラートの翳』ほか短編小説5篇。最も長い『霙』は『死化粧』に次ぐ著者の第二作。第五十七回直木賞候補になった。札幌郊外の重度心身障害児施設の嘱託医柏木が直面する「生命倫理と医学の相克」。治療の可能性のない子どもに医師や親,そして社会はどのように寄り添えばよいのか。医師にしか書けない秀作だ。
2024/06/28
ニャンコろ
渡辺淳一氏を『エロ小説を文学小説風に読ませる作家』と解釈している方は少なくないと思う。しかし、この自選短篇集『霙(みぞれ)』という作品を読了した後に、その解釈のままだろうか...『霙』は渡辺氏が医師として北海道で勤務していた時代にとある施設の医師として、独り地方に赴任していた頃の話だ。渡辺氏は医師として悲しみに向き合いながら、自己満足や感傷などとは程遠い所から、医師として冷静に可能な限りの医療を施す。この作品を読むと後に書き続けた恋愛小説を別な見方で読む事が出来る。と思う。
2014/07/01
Natsuko Ijima
短編集ですので、さらっと読めます。 中にはミステリーみたいでとても面白い作品も。 作者の実話を元に作品にしたという一話もとても感動的。 1よりずっと読みやすいのは、時代背景なのかしら?
2019/02/16
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