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ひとがた流し

ひとがた流し

ひとがた流し

作家
北村薫
出版社
朝日新聞出版
発売日
2006-07-01
ISBN
9784022501998
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ひとがた流し / 感想・レビュー

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chimako

一気読み。書き出しは少しガチャガチャとした印象だったけれどどんどん引き込まれた。40代の女性3人。若くはないが、年老いてもいない。女としての気持ちも体もまだ十分にある。それぞれが仕事を持ち、溌剌と生き生きと毎日を送る。送るはずだった。が、病を得た。子どもが親元から旅立った。家族の事情が明らかになった。かけがえのない友の人性の起伏。邪魔をせず、でしゃばらず、手を差しのべ背中をそっとおす。女同士の友情の難しさは子どもの頃から経験済み。だからこそ大切にしたいものがある。何故だか娘息子の小さかった頃を思い出した。

2017/08/28

みかん🍊

『月の砂漠をさばさばと』の続編的と聞いて手に取った、あのさきちゃんは高校3年から大学生へ、しかし話はお母さんの牧子と学生時代からの親友の千波、美々がメインの話、途中途切れながらも40を超えても近所に住み家族ぐるみで交流が続いているという関係が羨ましい、お互いが思いやり助けあっていく関係、相手の事が分かっているからこそ軽口や距離感が心地いい、家族愛、友情そして仕事、生きていく理由、切なかった。

2020/12/25

よむよむ

「月の砂漠をさばさばと」を読み終えたところ、さきちゃんとおかあさんの後日談があると読友さんに教えて頂き、早速手に取りました。今作はさきちゃんよりも母、牧子と10代の頃からの友人、千波と美々を中心とする話だった。40代になった3人は結婚、出産、離婚、大切な人との別れなどを経験しそれぞれの生活を守っている。それでもお互いを大切に思い、付かづ離れずの関係が素敵だ。淡々と進行していく話は時に重く切ない。でもただのお涙頂戴ではなく何か忘れていたことを思い出す懐かしく温かい話だった。アルバムをめくるように再読したい。

2017/08/03

Rin

【図書館】「月の~砂漠を~さーばさばと、さーばの~みそ煮が~ゆーきました」のさきちゃんにお母さんも登場。お気に入りさんに教えてもらった一冊。お母さんと友達がメインの暖かくも強い物語。恋愛もあるけれど、それよりももっともっと強い友愛が伝わってくる。友達としての立場や役割、見せられる姿に見せたくはない姿。踏み込める、踏み込んでいい領域。そして親と子の繋がりについても。いろいろな人と人の在り方を見せてもらえた。さきちゃんは暖かく、素敵な大人と関わって育まれている。久しぶりにさきちゃんに会えて良かったです。

2018/11/28

きむこ

『月の砂漠をさばさばと』の空気感が好きだったのでその親子が登場すると聞いて手に取った一冊。学生時代の友人の3人。卒業後は三人三様の人生を歩み、ご縁があってまた同じ時間を共有するようになる。家族のこと、夫婦のこと、病気のこと。問題が起こった時、真剣に相手に向き合う勇気、上手く距離保って支え合う気遣い、その優しさと覚悟に涙が止まらない。北村さんは男性なのにどうしてこんなに微妙な女性の心がわかるのだろう。期待を裏切らない素敵な一冊でした。★5

2017/09/03

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