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「伝える言葉」プラス

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作家
大江健三郎
出版社
朝日新聞出版
発売日
2006-11-01
ISBN
9784022502421
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「伝える言葉」プラス / 感想・レビュー

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けんとまん1007

抑制された穏やかな言葉であるからこそ、伝わってくるものがある。こういう言葉を紡ぐことは、なかなかできないと思うが、そうありあいと思う。ただし、その底にある思いは、とても大きく深いものがある。だからこそ、伝わる人には染み込むように伝わる。

2022/10/08

のうみそしる

ecritureとかエラボレーションとかメルクマールとか、いきなり使わずにもっと言葉の定義を添えて話してくれればいいのに。「人間がこんなことを続けていけるはずはないし、いつかは変わるはず」という意思の力による楽観主義。自分の死すらも超えたところにある。知的障害のある子どもの教育について、最初から音楽による教育を目指したのでなく、「人間は恢復するものだ」という上向きの変化を見逃さなかっただけ。作曲する際、「かれと、かれが音符を書きつける五線紙の間には一本の大きいパイプがつながっていて、両者は一体化している」

2021/10/12

ほみょ

★★★☆☆自分の文学の世界と同様に、息子には息子の音楽の世界で葛藤や成長があった、産まれた時には植物人間になるのは間違いないと言われながら、ジョークを言うまでになっていることが凄い。著者はハックルベリ・フィンの冒険の一部の文章を自分あてに書かれていると思い込むことがあった、文学の中の新鮮な手紙は親密な手紙となるなど。確かに文学の中の言葉が自分を救う場面はある気がする。言葉を大事にする人なら、「小説を書くのを休みます」と言っておけば良かったのに。

2012/08/04

いのふみ

社会や、家族というものを真摯にみつめ、そこへの祈り。けして過激ではなく、穏やかで、あたたかなことばたち。

2014/04/03

いのふみ

二〇〇四年から二〇〇六年までの朝日新聞の月一連載と三つの講演。「大江健三郎賞」において、彼の喋りを聞いたことがある。発話が不明瞭で聞き取れない箇所が多かったが、椅子に身を凭せかけたり、時おり前のめりになって話す、リラックスしているようにも感じられる彼の姿を見るだけで満足だった。この本にも、その時の模様は収められていないが、そういう魅力があると思う。文学より政治発言が多め。この連載は『定義集』へ繫がってゆく。

2013/01/30

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