ナショナリズムという迷宮: ラスプーチンかく語りき
ナショナリズムという迷宮: ラスプーチンかく語りき / 感想・レビュー
gtn
佐藤氏は蓑田胸喜を「論理と心情をこねまわす天才」と評する。論理的な事柄に、天皇の和歌という情緒を絡ませ、論客の口を封じる。やがて、知識人たちは思考停止になる。そこに、天下の悪法、治安維持法が国体護持の名の下に認知されていく。真に正義の人が殺される。敗戦により国が亡びる。そして、蓑田自死。蓑田の情緒に倣って言おう。蓑田の死は仏罰である。
2019/01/31
がんぞ
喫茶店と新聞と大衆小説ではじまった民主主義は「ナショナリズムと相性がいい」すなわち宗教が成立させた国家が貧富の差=利害対立があっても一体感を持つために物語と論議の場が必要。社会主義は終わったが21世紀の世界は宗教の呪縛からまだまだ自由になれない。そのなかで「市場原理」だけがもてはやされている。竹中改革は要するに貨幣至上主義であり、その体現「ホリエもんの逮捕は天皇という触れてはならないものに言及したからではないか」とすれば日本は神聖政治か。光市母子殺害事件上告審弁護士バッシングに言及を死刑確定の日に読む暗合
2012/02/20
おとやん
宗教から地理的関係、ポピュリズム、ファシズム何度も読み返したくなる本です。
2010/05/28
mym
佐藤優氏の語りが圧倒的。真意を理解するために、もっと自分は勉強が必要だと強く感じた。しかしそのような自分にも思うところがある、そのように語られているのがさらにすごい点。
2010/02/08
amanon
またもや佐藤氏の膨大な知識と鋭い見識に脱帽することしきり。対談者の魚住氏が後書きで述べているように、佐藤氏のように左右の論壇誌から見解を求められる物書きは恐らく一人もいないのではないか。その佐藤氏が最初にその見識の一端を世に問うたのがこの書であり、その輝きは当分は薄れないものと思われる。
2009/06/24
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