転移
転移 / 感想・レビュー
クリママ
術後、胆管癌ではなく膵臓癌とわかる。それは予後が悪いことを意味し、果たして、その2ヶ月後に肝臓への転移が見つかる。日記の形式で書かれた亡くなるまでの闘病記。腹痛、腰痛、発熱、不眠などの体調不良の中、執筆を続け、抗がん剤治療、免疫療法のため複数の病院へ通い、ジャズピアノのライブ、リハのためセッションを重ね、好きな着物の催しに出かけ、食事の支度(術後のメニューはそれで大丈夫かと思われるが)もする。その行動力に驚くとともに、それが著者にとって生きるということなのかと… 医師から、先のことは、月単位、いや、⇒
2023/10/24
よむよむ
『栗本薫・中島梓』と続けて読了。「ピーターラビット」は病院での生活のことばかりだったが、最後の日々は入院せずにぎりぎりまで普通の生活をしておられたので驚く。食い道楽で着道楽、なのに食べられない、着られない。そんな中でも歌を歌い、ピアノを弾き、料理を作り、物語を書く。『あと10年だけでも生かしてください。まだやりたいことがあります』10年あれば、グインは完結しただろうか。それは怪しい(爆) 5月16日の絶筆の乱れが、命への執念を思わせて胸を打つ。17日に昏睡状態になり、一番驚いたのは本人だっただろう。合掌
2011/02/11
ミナコ@灯れ松明の火
この人の小説を読んだことはまだない。けれど、最期の日まで、おそらく朦朧とする意識の中でさえ何かを書こう、何かを残そう、とする心意気に感動した。判読不能な文字の向こうに作者さんの意志が透けて見えるような気がして、目が離せなかった。全身全霊で「作家」だった人の最期、しかと記憶に刻みつけました。
2011/04/25
遅筆堂
『ガン病棟のピーターラビット』の時は、まだまだ元気で、回復に向けての気力があった。文庫版の後書きに再発の旨が書かれていたので気になっていた。その内に、亡くなわれたというニュース。辛いなあ。読者側は、もういつ彼女が亡くなるということを知っているのに、一生懸命書いている本人はわずかな望みを持ちながら生き続けている。日々のちょっとした変化を良くなっていると喜び、そして体調を崩して頑張ろうと気を取り直す。医者は、すべてが判っていたのではないか、直前までライブをし、小説を書いている。絶筆のタイプが泣ける。合掌。
2011/06/29
鬼灯の金魚草
読んでいて辛い。なまなましい。
2016/10/14
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