ゼフィラム─ZEPHIRUM─
ゼフィラム─ZEPHIRUM─ / 感想・レビュー
utinopoti27
日本を代表する自動車メーカー「日工」の渡瀬社長は、社運を賭けた新型ハイブリッド車の販売戦略として、アマゾンの森林保護を打ち出します。エコカーの未来はどこに向かうのか、地球規模の環境問題が抱える課題等々、いろいろ考えさせられるテーマに踏み込んだ作品です。ただ、コンセプトは素晴らしいのですが、セリフが説明調でダラダラ長く、ストーリーが平坦で盛り上がりに欠けるのは読んでいて辛いなあと。これはむしろ、小説形式に仕立てた、世界経済や自動車産業の現状と未来を勉強する教材と見るべきなのかもしれません。
2018/06/03
まつうら
いま起こっている環境問題は、過去に営んできた経済活動の負の遺産。それをわかっていながら、孫や子の代まで残してしまっていいものか? 環境問題は政治マターと言われるが、企業活動の負債でありながらそれを横目に見ているだけいいものか? 環境問題は、国家の枠を超えて活動する企業が担うべき、社会的責任ではないか? カーボンフリーなモータリゼーションを、いまこそ企業の手で成し遂げるのだ! そんな著者の強いメッセージを感じるだけでなく、具体化するビジネススキームをも見せつけられる作品。このビジネスセンスにはもう脱帽だ。
2023/01/15
キムチ
執筆は8年ほど前だろうか。金融危機・サブプライムローン・自動車の日米摩擦を含めたエコ問題など今日的時事を料理した小説。そう、小説なのだ。大手自動車メーカー、日工社長牧瀬はエコカー問題の未来にブラジルの国策、エタノール燃料、消えゆくアマゾン森林、ハイブリッド技術開発を視野に置いて見つめる。北米営業戦略室畑の栗林氏・・30代の才媛、切れ者。その手腕を買って抜擢するくだりが甘すぎて私的には失速。ベンチャービジネスならあり得るけど、国運をかける自動車業界ではなぁ~。スパイスの効いた分析サスペンスが又読みたい。
2014/09/07
Syo
う〜む こっちかぁ ちょいと しんどいかな
2022/08/24
シュラフ
環境問題、エタノール燃料、アマゾン森林消滅、自動車業界、サブプライム、などなど新聞でよく見る記事である。凡人にとっては、ひとつひとつの記事を見ただけではその事柄が持つ意味合いはよく理解できない。それらの事柄をひとつの物語として小説にしてしまうのだから楡周平はさすがである。この物語は、自動車業界において環境対応をアピールしようとするメーカーが、エタノールハイブリット車種の開発を目指す話である。環境重視の姿勢のPR、エタノール燃料事業への参画による販売後の利益機会の創出。なるほどのビジネスモデルだ。
2014/02/19
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