読み解き「般若心経」
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読み解き「般若心経」 / 感想・レビュー
ネギっ子gen
宮沢賢治が法華経の熱狂的な信者なので、その法華経なるものを読破しようと一念発起したりする。著者もその一人。まずは岩波文庫から(もよくある話)。<さいしょのとこだけ読んで、あんまりの荒唐無稽さにおどろいて、『指輪物語』に似てるなあと思いながら、『指輪物語』のほうは読み通したが、法華経は放り出してしまった>も定番の行動。<もう少したんねんに読んでいけば、途中とばしてもいいから、下巻の観音経のあたり>まで読めたなら、<「虔十」のモデルになった常不軽菩薩>にも出会えたのに、<惜しいことをした>とは、正に私も実感。
2020/01/16
アリ子
般若心経だけではなく、観音経とかマーラーの「大地の歌」などが伊藤さんの言葉で読み解かれていて、とても読みやすいのだけど、理解できたかといわれるとそうとは限らないところが悲しい。織り交ぜられた、ご両親の遠距離介護と母堂の最期について書かれたエッセイの部分はいつものように感情移入。図書館本だったので、買って読み返そうと思います。
2015/07/15
takeapple
伊藤比呂美流般若心経というより、詩人伊藤比呂美の仏教入門、老親に寄り添うことで考えた死という感じ。父が死に、母が呆けているけれど元気で、やっとその現実を受け止めることができるようになったら、義母が手術して、入院して、叔父が亡くなり、叔母のもとに通って、初期仏教や法華経、禅、マインドフルネスを齧ってみた私の眼の前に、来るべくして来た本なのかもなあ。言葉の美しさは、やはり詩人伊藤比呂美の真骨頂だと思う。
2017/08/14
kuukazoo
いつか必ず訪れる家族の死、自分の死を考えて不安にかられることが最近本当に多い。ずいぶん長く積読していたが機が熟したのだろう。この本が書かれた時の伊藤さんとほぼ同じ年齢なのであれもこれも深く刺さって泣ける。親の看取りを綴るエッセイの中に自分の言葉で書き下ろした各宗派のお経の言葉が挿入され、やはり意味がわかってこそそのすごさや面白さが感じられる。家では時々仏壇を前に家族で正信偈を朗詠していたが子どもには意味分からず苦痛ばかりだったので大人になっても拒否感しかなかったけど、それはもったいないと今にして思う。
2022/04/16
miho
梨木香歩さんの「海うそ」を読んでから般若心経に興味を抱き解説本をいくつか読んでたので、伊藤比呂美さんの現代語訳と聞いて飛びついた。身近な人の死を通して語られるエッセイと交互に収められている。長女のカノコちゃんの解釈が面白かったなあ。比呂美さんはいつの時代も前を歩いてくれていて心強い。
2015/04/29
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