「横審の魔女」と呼ばれて
「横審の魔女」と呼ばれて / 感想・レビュー
鉄之助
3横綱、1大関不在の2018年、九州場所。大相撲の危機的状況に違いない。今だからこそ、女性初の横綱審議委員に選ばれた内館さんのこの本を読む意味があった。任期中の10年間「週刊朝日」に掲載された「横審レポート」を纏めたものだが、この間、八百長、リンチ暴行事件、朝青龍騒動・引退など不祥事のオンパレード。その時、横審がどんな協議をしたかがこと細かく公表されている。今までベールに包まれていたモノを公開した、彼女の功績は大きい。いま再び「魔女」が、必要になってきていると、痛感した。
2018/11/22
おかむら
「思い起こせばなんだか怒ってばかりの十年間だった」。2001年内館さんが女性初の横綱審議委員会に任命されてからの10年間を振り返るインタビューと週刊朝日連載の横審レポート10年分。なんとなくなあなあなムードもあった横審の中で一人気を吐く相撲愛の熱さがハンパない内館さんと朝青龍(と高砂親方)の毎回のバトルが超楽しい!そしてこれだけバチバチの間柄なのに最後に内館さんをハグした朝青龍の人たらしっぷりも見もの!
2023/09/20
シュラフ
今まで読んだ相撲本の中でいちばん分かりやすく納得感のある一冊。大相撲ファンではあるものの部外者であった内館さんがある日突然に横綱審議委員になるよう要請された。その後の十年間の内館さんの孤軍奮闘はまだ記憶に新しい。内館の目線はあくまで一般人と同じ高さ。相撲を愛するわれわれの声を横綱審議会で代弁してくれていたのだ。例えば、土俵にあがることを主張する女性政治家に対しても、伝統行事等における女人禁制は現代社会における男女差別とは別次元のもの、とピシャリ断固反対。朝青龍問題など大変な時期によく大相撲を守ってくれた。
2016/08/29
むつこ
内館さんの相撲愛があふれています。10年ひと昔と言うけれど、つくづく貴乃花、朝青龍時代が過去で「そんなこともあったなぁ~」とぼやけた騒動の印象になっていた。それにしても「横審」の立場って、影響力がありそうでない存在だったのが残念。日本人みんなが好きな取り組みをする力士たちを作り上げるのは至難の業だろうが、きっとどこかにいるはず。相撲人気と視聴率、満員御礼の復活がみたい。
2015/12/22
さゆ
相撲は好きではない。だからよく知らない。でも「おもしろかったよ」って薦められてこの本を読んだ。解ったことは「道」とつくもの、武士道、剣道、茶道、華道、香道等々、日本人って、本当に「型」を大事にするんだよね。だから相撲道も型が大事なんでしょう。その型を守れない朝青竜を内館さんは許せなかったんでしょう。「公益法人であること」「国技であること」。この二つがポイントなんでしょう。私個人としては相撲はどうでもいいのですが。
2010/08/28
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