蛇と月と蛙
蛇と月と蛙 / 感想・レビュー
chimako
みんなが思っていてもなかなか口に出せないことを躊躇いなく書いてしまう田口ランディさん。例えば植物人間にになってしまった身内の死を待つ家族、間引きと言う 名の堕胎、何不自由ない国でアルコール依存症になった父、容赦ない河童の目線、生みの親への嫌悪、珊瑚の産卵、蛇と目合う娘、原爆の痛み。最後の詩はこの短編集を総括のよう。キジムナーの話が好み。沖縄のおばあが言った言葉「借家ーん神様住まねんけえ」(借家には神様は住まないからね) そうなんだ、我が家は持ち家だけどかなりガタがきてる。神様いるのかなぁ。
2022/08/08
あっ!chan
一時よく読んでいた作家さんに久しぶりに挑戦。ファンタジー風の作品が二編、海外での体験レポート作品が一編、体験に基づくエッセイ風の作品が一編、そして更にリアルな世界、風土記や実体験やらごちゃ混ぜの小品を集めた表題作の「蛇と月と蛙」と、六編の短編集。自然や生き物、家族、生と死、オカルト風の不思議な事象、そして彼女らしい女性の性等まぁ色んなランディ世界が繰り広げられており、読んでて飽きがこなくて一気読みでした。
2018/05/11
空猫
お気に入りさんのお薦めで初読み田口ランディサン。図書館で出会った中で表紙絵で選んだ一冊(何せタダジュン氏だ)。その雰囲気そのままにオカルトちっくな六つの短編。著者のルーマニアでの読書会の話(対象本が未読なので意味不明)があり、余計にエッセイかと思うような作風で、これもリアリティがあると言うのかな。…影が、あの人にむしが、河童が、蛇が、月が、、何か触って欲しくない処に指を突っ込まれる様なそんな物語。長編小説も読んでみようかな。
2023/04/18
ブルームーン
初読み作家さん。うっすらとした恐怖を描いた短編集。他の方のレビューにもあるように小説なのかエッセイなのか区別がつきにくい。エッセイは苦手なのでエッセイっぽい話は読むのが苦痛だった。他の作品がどんなものがあるのか気になるので後で読んでみよう。
2014/06/14
nyanco
久しぶりのランディさん。ランディワールド健在で、ランディ感炸裂!フィションと唱われているのですが、どれを読んでもランディさんのノンフィクション、私小説として読めてしまう。端々にランディさんご自身の経験が描かれているので、影の話の少女もむしがいるの母親も、どれもランディさんご自身だと思えてしまう。生きることの不思議を描き続けていらっしゃるランディさん、きっと生きている間にその答えを見つけることは無いのでしょう。答えを見つけるためにきっとこれからも書き続けていかれるのだろうな~と感じた作品でした。続→
2011/03/08
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