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空也上人がいた (朝日新聞出版特別書き下ろし作品)

空也上人がいた (朝日新聞出版特別書き下ろし作品)

空也上人がいた (朝日新聞出版特別書き下ろし作品)

作家
山田太一
出版社
朝日新聞出版
発売日
2011-04-07
ISBN
9784022508508
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空也上人がいた (朝日新聞出版特別書き下ろし作品) / 感想・レビュー

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新地学@児童書病発動中

介護と風変わりな恋愛と空也上人というあまり関連がなさそうなことを、一つの長編にまとめ上げるところが山田太一らしいと思う。特に主人公とケアマネの恋愛は苦労人同士の結びつきということで、応援したくなる。介護という最も現代的なテーマから、新しい人間同士のつながりが生まれてくるところが本当に良かった。葬式のシーンはちょっとびっくりしたけれど、こういうことも起こりうるのが人間の面白いところ。どんな人の傍にも、空也上人が寄り添っていると信じさせてくれる物語だった。

2014/07/23

こばまり

なんだなんだこの小説は、どういう方向に転がっていくのだとドキドキハラハラ。そのドキドキハラハラがしっかりエンディングまで維持され、ページを繰る手止まらず。さすがは山田太一だなぁと溜息を吐いた。読後感は寂しい。

2018/09/24

たらちゃん

怒っている。この本を貸してくれた人は、もしかして同じように自分で命を絶とうとしているんじゃないか。そんなことはしちゃいけない!しないでほしい。死を選ぶ経緯は書いてあるからわかったけど、ならば私も一緒にいるし、私なんていなくても友達が大勢いるんだから、…そうだ、だから心配ない!良かった!…そんなこと思いながら読みました。読んでほしいと言われたのでなかったら、全然違う感想を書いたでしょう。

2016/12/15

ネギっ子gen

偏屈な老人とケアマネとの風変わりな恋。介護職をやめたばかり(ここが以後の展開の伏線に)の青年が、上司のケアマネの紹介で、妙に条件の良い一人住まいの個人ヘルパーに採用され、物語が始まる。「一瞬の鬱の通過」や「福祉関係の人の明るい作り声」っていう表現、いいなぁー。「重光さんの明るい声には細部なんか無視して進むしかないんだよ、という主義のようなものがあるような気がして馴染めなかった」と。ここも良し。最後のシーンが味わい深い。70半ばになった私は、老婆になった重光さんを車椅子にのせ、押して歩く。空也上人と一緒に。

2020/02/06

ドナルド@灯れ松明の火

一気に読んだ。タイトルからは歴史と絡むのかと思ったが・・・ 介護の問題といってもまあ深くも無く、だけど何故か引き込まれる。介護される側・ケアマネ等介護を巡る人間をよく観察してその感情をテーマとして、上手に伝えられる作家なんだなと改めて感じた。六波羅蜜寺の空也上人像を見たくなった。

2011/06/11

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