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慈悲の怒り 震災後を生きる心のマネジメント

慈悲の怒り 震災後を生きる心のマネジメント

慈悲の怒り 震災後を生きる心のマネジメント

作家
上田紀行
出版社
朝日新聞出版
発売日
2011-06-17
ISBN
9784022508867
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慈悲の怒り 震災後を生きる心のマネジメント / 感想・レビュー

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おおにし

震災直後に緊急出版された約150ページの薄い本だが内容は素晴らしい。慈悲の怒りとは人にぶつける怒りではなく、社会の不正を正していきたいという気持ちから生まれる怒りのこと。ダライ・ラマも仏教徒にとって怒りというものはとても有益なものだと発言したそうだ。とても興味深い話だ。

2012/11/23

Keiko Matsuda

三陸の魚を買おう、福島の果物を食べよう、という大キャンペーンが本当なら展開されていたはずと思うと、真反対に強力に向かわせた原発事故(=人災)は悔しくてたまらない。国が悪い、東電が悪い…それはそうだけど、根底にあるのは「組織の決定は尊重するもの」「みんなが大丈夫と言っていれば大丈夫」といった、空気に支配されてしまう私たちの意識。私が東電の社長だったとしても、同じ過ちを犯したかも…と思うと吐き気がした。「和をもって貴しとなす」と言った聖徳太子は偉いけれど、和=同じであることではないね。異をもって貴しとしよう。

2012/02/24

タイコウチ

以前著者の「生きる意味」(岩波新書)に感銘を受けていたので、読んでみた。著者の問題意識は震災以前から一貫しており、年間3万人を超える自殺者がいるこの国において、いかにして「信頼」を支えに「生きる意味」を問い直すことができるかということ。「がんばろうニッポン」へのモヤモヤした違和感など多くの点で共感する。「不安」は無くすべきではなく、活かすべきである、という発想の転換は、放射性物質とともに生きなければいけなくなったこれからの日本に生きる私たちには必要なことと認めなければいけないのだろう。

2011/07/04

Machida Hiroshi

本書は、東日本大震災直後の2011年6月に危機感を持って発行された、敗戦を招いたこの日本のシステムに対して怒りの声をあげよう、という趣旨の意見書です。僕は、発行から3年経ってからやっと本書を知り、読みました。しかし、あれから3年以上も経過した今でも日本のシステムが全くと言っていいほど変わっていないのは、怒りの声をあげる人が少なかったということで、著者も悲しいだろうと思います。僕も人任せにして自分で慈悲の怒りの声をあげるという行為を実践してこなかったことを反省しなければならないでしょう。済みませんでした。

2014/04/06

ふじ

ネット上で似た意見を散見することはあるけど、一個人の書物としてまとめて読むと心や脳への定着率がまた違ってくるなあ。筆者の考えに100%同意することはなくても、「正しく怒ること」「きちんと不安がること」の大切さには同感。でもとても難しいこと/震災だけでなく、それに絡めつつ、戦時から現在の社会不安に続く「日本人病」とでもいうべき病理を指摘している。

2013/01/13

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