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夜をぶっとばせ

夜をぶっとばせ

夜をぶっとばせ

作家
井上荒野
出版社
朝日新聞出版
発売日
2012-05-18
ISBN
9784022509758
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夜をぶっとばせ / 感想・レビュー

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めろんラブ 

いい人たちのいい話、ほっこり大好き!絶対泣けます!という部類がお好みならば、本作には近寄らない方がいい。愛?笑わせんなよとばかりに、足場を失った男と女が奈落へ落ちる様には、ありがちな希望も救いもない。なにより薄ら寒い気持ちになるのは、本作の描く虚無が日常の延長線上にあるということ。それは他人事と切って捨てるにはあまりにリアルだ。併録の後日談も含めて、凡庸な価値観に風穴を開ける破壊力を見せつけられた思い。Let's Spend the Night Togetherを聴きながら。

2016/09/27

なゆ

相変わらずどんどんずれていく夫婦の話。ずれるというか流されていくというか…確かに最後はぶっとんでしまって、可笑しくもある。『夜をぶっとばせ』は妻たまきの話。同窓会でのノリでパソコンを買ってしまってから、どんどん流されてゆく妻たまき。この妻の心がどうもよくわからない。DV夫の雅彦はもちろん悪いけど。『チャカチョンバへの道』は、離婚から3年後の雅彦の話。けれど瑶子と幸せ一杯で、『夜を…』での雅彦とは別人のよう。しかし、偶然別れたたまきを見かけてからまた話が変な風に転がり出す。瑶子もよくわからない女なのだ。

2012/06/05

くりきんとん99

妻たまきの立場書かれたものとその3年後、夫の雅彦の立場から書かれたものの中編2編。前半は、井上さんらしい、落ちていく様が書かれていて、恐怖を感じ、相変わらずだなぁと思ったけど、後半を読み始めたところで思わず、前の方を確認。なんかイメージが全然違う。また違う意味で恐怖は感じた。この後どうなったのかがすごく気になる。

2012/06/08

風眠

妻の目線と夫の目線で、それぞれ描かれた中短篇2篇で構成された一冊。DV夫とネットの掲示板で書き込みを続ける妻、いじめに合っている長男と、シメジしか食べなくなった神経症の長女。妻の目線で書かれた物語と、夫の目線で書かれた物語とでは、証言に大きな食い違いがあって、どっちが本当なのかは謎。私は女だから、ついつい妻のほうに肩入れして読んだ部分が多かったが、なんで離婚したのかが未だに分からないと、きょとんとする夫の気持ちも分かるような気がする。カギは、妻の同級生の女の人なんじゃないかな・・・うーん?藪の中・・・

2012/07/08

nyanco

小児心理室に通う娘、いじめられている長男、働かない夫…10代の頃にはふわんふわんしていた私だって、変わってしまうんだ。PCでネットの世界を手に入れた主婦が、やがては出会い系サイトで出会った男たちとデートを繰り返す。誰かに助けてもらいたい人って、やっぱり居るんだろうなぁ。妻の視点から描かれた「夜をぶっとばせ」では、酷い旦那だなぁ…と感じていたのですが、夫目線で描かれた「チャカチョンバへの道」を読むと、確かに妻もとんでもないヤツだったのかも、と思えたり。続→

2012/06/24

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