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ブラックボックス

ブラックボックス

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作家
篠田節子
出版社
朝日新聞出版
発売日
2013-01-04
ISBN
9784022510457
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ブラックボックス / 感想・レビュー

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いつでも母さん

久しぶりの篠田作品。少し長いがそれが又、微妙な恐ろしさを増幅させていたような気がした。じわじわと真綿で絞められるような感覚とでも云おうか・・口にする物が題材だからか、それを取り巻く環境やら労働力とか現実が私に選択を迫っている。時間と手間を秤にかけて安心・安全を見なかったことにしてきた『つけ』か?もう既に無菌状態でしか生きられないのか日本人よ。読後は畑で姑が作る季節毎の野菜が、愛しく感じられる。今、私たち世代が次世代の子らへ伝える、大切なことを教えてくれた作品だと思った。篠田作家、してやったりだろう。

2016/01/11

tama

図書館本 予約してしばらくかかった。滑らかに読み終えた。この本は小さなお子さんを持つ、若いお母さんは読まない方がいい。まわりの食物に対する不信感を払拭できなくなる。ワタシが勤めていた会社にも、違法行為を「やった方が会社のため」と信じ込んでいる大馬鹿管理職がいて手を焼いたが、そいつは今、傍流の事業部の品質管理部長だって。あの会社もそろそろデカイ事故を起こすかも。技術屋としてはワタシも、社長の理想は凄く胸に落ちる。

2013/06/22

🐾Yoko Omoto🐾

鮮度保持に欠かせない添加物、食味を飛躍的に向上させるアミノ酸、何をどれだけ摂取すれば人体に有害であるか、毒性は無いとされるそれらに対して、知らず蓄積されることの危険性に警鐘を鳴らす作品。無闇に危険ばかりを意識すれば食べれるものは無くなってしまうし、無菌、無菌と神経質になることもまた抵抗力の無い体を作ってしまいかねない。農業の未来、企業の営利、最先端テクノロジーなど、進歩の裏で疎かにされていくものに対し、個人が義憤に駆られたところでどう出来るものではないが、せめて選択と防衛は自分自身で行っていきたいものだ。

2017/11/23

koba

★★★☆☆

2014/03/29

Lara

太陽光さえ差さない、まるで無菌室のような中で、管理された養液に浸された植物は果たして植物と呼べるだろうか。「工業製品」と呼びたくなるような代物だ。そんな管理された環境でも、人間のやることだ僅かな漏れがありうる。完璧に計算されたようでも、隙間がありうる。方や、そんな管理された工場内で、まるでロボットのように働くのは、海外からの研修生。労働者でないがゆえに、賃金を最低限にするための方策。やっぱり、太陽の下、自然な空気と豊かな大地で育てられた、植物に勝るものはないことは、言うまでもないと、改めて思いました。

2022/10/02

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