寺田克也式ガソリン生活
寺田克也式ガソリン生活 / 感想・レビュー
sin
朝日新聞に連載された伊坂幸太郎『ガソリン生活』の挿絵を再構成したもので物語と云うより散文の印象は否めない。況してや登場する車たちの独白が物語の輪郭を成しているから、自分的にはよけいにパラパラした印象は否めない。「ダイアナ妃は実は生きているんじゃないか、って」発想の元は解るがそれをミステリーとするには無理を感じる。只々、寺田克也の挿絵を愛でる。
2021/10/30
まつじん
伊坂幸太郎さんの本と合わせた完全版が読みたい気分になりました。
2013/07/07
ぐうぐう
タイトル通り、小説の新聞連載で挿絵を担当した寺田克也側からの、これは『ガソリン生活』だ。同じ物語であるはずなのに、まるで違った感触を受ける。それほどに寺田の絵に、凄みがあり、小説を補完するだけに留まらず、それを越えようとする強い意志を感じる。今年、京都マンガミュージアムで開催された『寺田克也ココ10年展』を観たときにも実感したことだが、この人は車が好きで、それ以上に車を描くことが好きなのだ。それが絵からガンガンと伝わってくる。(つづく)
2013/09/17
空崎紅茶美術館
去年、リアルタイムで読んでいました『ガソリン生活』。挿絵を物語り仕立てで再構成したもの。スタイリッシュで可愛らしい。書店で見かけて思わず買ってしまった。これ一冊で『ガソリン生活』が丸分かりになるわけではないのに、面白い。本編を知っていると、こちらがダイジェスト版に感じられる。名シーンが揃っていて、私の一番好きな場面は、ザッパとともに登場する細見氏。「たぶん、細見氏なら、初めて出向いた惑星でも、不良のたむろする場所を見つけられるだろうな」(p.148)。無声映画のようなエピローグも素敵。
2013/05/08
シャル
タイトル通り、新聞連載時の寺田克也氏の挿絵をまとめ、再構築した一冊。この一冊だけではさすがに物語を追うことは出来ないが、本編を読んだ人になら一つ一つのイラストで本編の印象をフラッシュバックさせ、もう一度読み返したくなるだろう。こうしてイラストとして描かれると、その独特の雰囲気や、時に混じるシュールな車たちの慣用句の再現イラストと相成って、まさに車が人間の会話に聞き耳を立てた話という印象が強くなる。色々と興味の尽きないイラストではあるが、個人的に一番インパクトが強かったのは安田夫人かな。アレは強すぎだろ。
2013/03/23
感想・レビューをもっと見る