ジャーニー・ボーイ
ジャーニー・ボーイ / 感想・レビュー
ヨーイチ
イザベラ・バードの日本旅行記は読了済。高橋克彦は初読。資料、題材と小説の関係を考えずにはいられなかった。小生としては活劇が出て来たのは意外であった。大倉喜三郎と外務省が岸田吟香を通じて探し出した通訳兼ガイドがイトーだったと云う設定で「腕が立つしっかり者」だという。なるほど小説の主筋がガードとなればこう云う人物像でなければならないわけだ。バード女史の言動が47才に感じられないのは「護られる乙女」の役を振られた所以か。自分の草稿をイトウに見せて意見を求めるなんて小娘臭い。小説だからいいのだろうが。
2017/05/10
柊龍司@中四国読メの会&読メ旅&読食コミュ参加中
外国から見た日本、今の日本でなく幕末の日本を女性の外国人が見て本にするとは現代の冒険以上の冒険だろうし、その冒険の裏の暗闘も、彼女の生き様に触れた日本人がこれからの生き方を考え直したというのも納得できますね。この先北海道に渡っての話も読んでみたいです
2014/01/23
tama
図書館本 貸出し中だったので予約したが、意外と早く来た。なかなか好きな作品。文化の違い・立場の違いを認めて呑込んで書いたような感じです。イギリスですらまだ女性参政権のなかった時代なのに女性旅行家として有名になってる人がフンドシ・腰巻いっちょの農民をどう見るのかも書かれていたし。そのとき一応文化的都市生活していた日本人男性の感覚もうまく書いてると思う。なんかこの先北海道編とか関西編がありそうな予感も。なお、イザベル・バードでwikiすると伊藤君の本名がわかる。
2013/12/21
ヒコーキ雲
2013年11月上梓。初出は季刊の「小説トリッパー」に2001年から2012年まで10年の長きに亘って書かれたものとある。明治初期の日本を東京から新潟まで旅をし紀行記を書こうとする英国夫人バードと、通訳としてそれをサポートする役目の伊藤を中心として話が進む。なぜかバードを襲おうとする集団から守る役目を持った仲間と伊藤の活躍も面白いが、当時の日本の有様がバードの目を通じて語られる文章は読んでいて感じ入る。伊藤も語るが朝敵の汚名を着せられた当時の会津の人々の暮らしは悲惨だが子供の未来を信じる気持に救われる。
2014/04/01
遊々亭おさる
明治11年、その度胸の良さでピストル・ボーイとの異名をとり、英語に堪能な伊藤鶴吉は、日本で初めて新聞を発刊した岸田吟香から、英国人の女性冒険家、イザベル・バードが行う北海道までの冒険旅行の通訳として同行する仕事に就くよう画策される。しかし、その仕事にはとある密命を帯びていて…。日本の平和と安全は伊藤鶴吉の他、元武士の食いつめ者たちに託されていた!僻地好きの我が儘バードさんは、奥ゆかしき野蛮人が住む不思議な国ニッポンを存分に満喫されたようで。これがほんとのお・も・て・な・し。
2014/01/24
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