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悪医

悪医

悪医

作家
久坂部羊
出版社
朝日新聞出版
発売日
2013-11-07
ISBN
9784022511256
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悪医 / 感想・レビュー

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青乃108号

最凶の、泣かせる小説。びっくりした。感覚的には読んでる時間の40%は泣いていた。しかも時に号泣。安いお涙頂戴物とは全く違う。末期癌の患者と彼の主治医。それぞれの目線で短く物語を刻む。交互に。そこには癌の終末期医療の冷徹な現実がある。医師でもある著者が叩きつけてくるその現実。いつか自分もこの様な宣告を受けるかも知れない。2人に1人は癌になる現代を生きる、全ての者にとって必読の書。

2022/07/22

🐾Yoko Omoto🐾

早期のがん発見、手術、再発、抗がん剤治療、そして余命宣告。余命という不可避に対して、理性的に向き合えず肉体の限界を越えて尚治療を望む患者側の苦悩。効果のない治療を続け耐え難い苦痛を感じるだけの日々を送るよりも、残された時間を有効に使うことを勧める医者側の正論。患者が余命を受け入れるには、闘病や死への不安を少しでも和らげるべく尽力してくれる医者や、親身になって気にかけてくれる人など、精神的に心強いサポートが必要不可欠なのだと実感。今やガンは決して他人事ではない。余命に向き合う現実を考えさせられる一冊だった。

2017/10/13

nobby

全てがうまく喜ばしく迎える人の死はあり得ない。それぞれの立場で距離感で、同じ事象を見ても全く感じることは違う…この作品で交互に描かれる余命宣告する医者、されたガン患者の想い、そして第三者としての読者の感じ方も合わさること難しい。介護職・ケアマネジャーという仕事柄、少しは死に近いところで働き、生きることにそれほど必死さを求めず“普通”でよいとする自分の人生観は少なくとも悪くないと感じた。それでも、支援する側が相手の当然に喜ぶ様を期待しているという視点にハッとする…

2017/02/06

koba

★★★★☆

2014/02/13

ぶち

臓器提供意思表示カードを常に持ち歩き、病院での問診表などには必ず延命治療は受けませんと記入している私は、病気や事故による死への覚悟はできているものだと思っていました。しかし、この小説のように、"もう治療の余地がありません。残された数か月の余命を有意義に過ごしてください" などと宣告されたらどうなのでしょう。死と向き合う時間のほとんどない事故や病気であっという間に死んでいくのと、数ヵ月も死と向き合わなければならない状況。2人に1人ががんに罹るといわれている現代では、避けては通れない問題です。良書です。

2019/08/10

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