明治・金色キタン
明治・金色キタン / 感想・レビュー
takaC
知らないけど明治というのはそんな時代なんだろうな。久しぶりに畠中恵小説を読もうと勇んで借りてきたこれを読み始めて気づいたのはシリーズ物の2巻目だということだった。よくあることさ。仕方ない。いずれ手隙になったら1巻目も読むよ。
2018/04/14
ハイランド
明治、闇と文明がせめぎあう時代の人と妖の物語。作者は時々ハードボイルド風小説を書きたくなるようだが、あまり合っていないのでは。全体に中途半端感が否めない。妖が人の論理で動きすぎるので、奇譚としての自由さが足りないし、ミステリーとして読むには細かいところのあらが目に付く。伝奇ものとしては風土や背景の説明が薄い。やはりこの作者は「しゃばけ」シリーズののほほんとした世界が似合っているのではなかろうか。この時代の妖であれば、文明の波に飲まれていく哀しさをもっと前面に出してほしい。続編が出たら読むかどうか微妙。
2016/05/13
いつでも母さん
シリーズ続編。江戸から明治になったって、そこの辻界隈には居るよね~妖たち。だけどね・・滝と原田が良い男でも、やっぱり長崎屋の仁吉兄さんたちには適わないんだよねぇ(´・ω・`)比べちゃいけないんだけどね、畠中作家・・このシリーズはまずいと思いますよ(^-^;ホンワカでもないし、スリル満点でも無い。勿論リアルでも無い・・なんて酷い読者・私。辛口感想で本当に申し訳ない<m(__)m>そんな時も有るって事で・・
2016/01/12
mocha
いつの間にこの人達は「人ならぬ者」というコンセンサスがとれたの?という疑問があったけれど、全体としては面白かった。廃仏毀釈ってかなり強引なものだったということや、当時の「軍」の力など、時代背景に興味を覚えた。巡査二人は「しゃばけ」の仁吉と佐助を思わせる。覚る人お高さんが怖くてかっこいい。
2016/09/12
ちはや@灯れ松明の火
もういいかい、まあだだよ。アーク灯の眩さも届かぬ煉瓦街の宵闇に人ならぬ者は潜み、人へと化けては闊歩する。あんたがた、どこさ。花開いた文明の影で廃れ毀された五寺五仏、消えた五人の僧と祟りの噂。かって、うれしい。崩れ落ちた仏塔と煙草屋、願いを叶える玻璃と医者、女学生の写真と新聞記者、災いの待つ小路と内務省役人。まけて、くやしい。仏を見捨てたのは、欲に呑まれたのは、嘘を吐いたのは、人を殺めたのは。人の失せた菜種の里は金色に輝けど虚しく、時に絡めとられども煉瓦街に棲む者は独りではない。もういいかい、もういいよ。
2016/01/01
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