ゼロ・アワー
ゼロ・アワー / 感想・レビュー
巨峰
タンゴを踊る美貌の殺し屋ハムレット。彼に両親と弟を殺された10歳の少女新垣広海は、アルゼンチンに住む祖父に引き取られる。その祖父には大きな秘密があった。広海が大人に育つとき、ブエノスアイレスに復讐の銃弾が舞い、男と女がタンゴで舞う。中山さん初めての非恋愛小説で犯罪小説だけど、登場人物は、彼女がこれまでずっと描いてきた刹那的な悲しさをどこか湛えている。そう広海はまるで王子ミチルのようだ。
2018/12/24
ゆみねこ
夏休みのバレエ教室の合宿中に、両親と幼い弟をプロの殺し屋・ハムレットに殺害された広海。アルゼンチンの祖父のもとに引き取られ、やがて彼女もプロの殺し屋になり復讐の機会を狙う。面白かったけれど、もうちょっと殺し屋の元締めのことや組織のことが知りたかったかな。猫のアストルが良い味でした。
2017/04/09
keroppi
「ビブリア古書堂の事件手帖7」から偶然の繋がりで、シェイクスピア! こちらは、シェイクスピアをモチーフとした殺し屋たち。アルゼンチンタンゴの扇情的でなぜか悲しげなリズムが全編に流れながら、テンポ良くストーリーは展開し、ページをめくる手が止まらない。復讐は、何も救いにはならないということか。猫や料理もいい味を付け加えている。確か週刊文春の書評で見つけた初読み作家さん。ラスト、多少不満は残るが、映画を観ているような味のあるエンタメ作品だった。
2017/07/25
モルク
殺し屋に家族全員を殺され、たった一人残った少女広海。祖父の住むアルゼンチンのブエノスアイレスに渡り、平穏な生活を送るはずが、祖父の過去を知りそして共に復讐を誓う。次第に二人が深みにはまっていき堕ちていく姿は辛い。なかなかのハードボイルドである。が、そこにはアルゼンチンタンゴが有効に使われている。余韻の残る演出だ。だけど女刑事はどうなったのかな。
2017/05/23
さっこ
殺し屋「ハムレット」そしてハムレットに家族を殺され一人になったヒロミ。そしてヒロミは復讐に立ち上がる。タンゴやシェークスピアがきれいになぞられていてノワールさが際立っていました。殺し屋としての宿命。切なさと疾走感が良かったです。
感想・レビューをもっと見る