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錆びた太陽

錆びた太陽

錆びた太陽

作家
恩田陸
出版社
朝日新聞出版
発売日
2017-03-21
ISBN
9784022514653
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錆びた太陽 / 感想・レビュー

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starbro

恩田陸は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本作は『太陽にほえろ!』オマージュ近未来原発化猫小説でした。近未来の設定なのにも関わらず、昭和の匂いがプンプンするのは何故でしょうか?直木賞受賞後出版された著者の作品の中では、一番好いかも知れません。挿画も本作の世界観を良い雰囲気で表現しています。

2017/04/07

しんたろー

『蜜蜂と遠雷』だけのファンには「本当に同じ作家?」と思うはずだが、本作は本作で恩田さんらしいと言える。SF+ファンタジー+コメディなのだが、日本と人間社会への皮肉+毒+警鐘を込めたエンタメとしてまとめ上げている。懐かしいギャグが多いので、悪乗りと感じる人も多いと思うが、大上段に構えて正論をぶたれるよりも、私としては素直にメッセージを受け止められるし、笑える部分も多かった。(「僕は、死にましぇーん」は、そのタイミングも含めて、特にツボ!)題材を変えて『徳子&ボス』シリーズにもなる。筆者の幅広さに改めて脱帽!

2017/09/26

風眠

所々に散りばめられた昭和のパロディ、ウルトラマンとか、太陽にほえろとか、歌謡曲とか、「僕は死にましぇーん」とか。もう設定が最高! 脳内イメージは昔のTVドラマ版『スタートレック』。コミカルでボケてる風だけれど、人類や社会への警鐘がガンガンに鳴り響いている。小難しい言葉で滔々と説明されるよりも、笑いの中に紛れ込ませてサラッと言われる方が、心に突き刺さるのは何故だろう。戦争、核廃棄物、ロボット、ゾンビ、放射能汚染。笑いでコーティングしているけれど、これは問題提起の物語。「世界規模での無駄遣い」をしないで、と。

2017/07/31

ケンイチミズバ

AI たちの会話が仕事柄、現場労働者風に設定されている中で一体だけおネエ風なのが笑えた。人間を守らなくてはならない決まりと人間に危害を加えてはならない決まりが相反するケースに遭遇し悩むAI が面白い。危険だからと言っても聴かない徳子を力ずくで諫めることができないボス。口達者な彼女の口撃に絶句するAIも爆笑。状況はシリアス、会話と展開はコメディタッチ。筒井先生のSF 作品のような巨大な比喩と教訓が全編に散りばめられている。状況からして不謹慎ながらも昭和がギャグとして使われており私は世代として楽しく読めた。

2017/05/22

ウッディ

原発事故による立入制限区域を管理する人間型ロボットの居住地に、国税庁から派遣された謎の女、財護徳子。飛行場跡に建てられた謎の建築物とマルピーと呼ばれるゾンビの出現。徳子とロボットが国の陰謀を暴く。 シリアスなSF小説っぽいが、徳子のキャラが強烈で、設計者の趣味で、ボス、デンカ、マカロニなど「太陽に吠えろ」の刑事の相性を名付けられたロボット達もどこかコミカルで、ハチャメチャな話でした。なかなか、物語に入り込めず、時間がかかってしまったが、後半は一気読み!

2017/10/27

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