ゆっくりおやすみ、樹の下で
ゆっくりおやすみ、樹の下で / 感想・レビュー
mocha
初めて訪れたおかあさんの実家「さるすべりの館」でひと夏を過ごすミレイちゃん。古い館に刻まれた記憶とは・・『トムは真夜中の庭で』を彷彿とさせるストーリー。小学生新聞に連載されたものなので、短い章立ての中に毎回見どころがあって飽きさせない。物語を俯瞰して読者に語りかけるという児童文学の古典的手法が逆に新鮮に思えた。ジブリアニメのような懐かしく優しい雰囲気で、夏休みの読書にぴったり。
2020/07/23
佐島楓
子どもたちに向けての本なのだが、大人たちに投げかけられている問いのほうが大きいように感じた。昔のわたしだったら、どう読んだだろう。
2018/10/12
よこたん
“あの時計は、わたしたちを『夏』へ連れていってくれる道だったんだ。道は閉ざされてしまったわ。もう、あの夏へ行くことはできないのね” ひと夏の、さるすべりの花の、甘やかな匂い漂う夜の、時間旅行。ずっと昔のことなのに、何故か懐かしい気持ちになるのは、どうして? 会えないはずの人に会い、心の内を明かされる。歳月は容赦なく流れて、さらさらと別れゆく。古い館とさるすべりの木は、人々の喜びも悲しみもじっと見守り続ける。これからもずっと。
2018/10/30
☆よいこ
ぬいぐるみが語り出す、11歳の少女の物語。夏休みに初めてバーバの家「さるすべりの館」に行ったミレイちゃんは、不思議な時計の音に導かれ、過去の館に迷い込む。▽『トムは真夜中の庭で』のメルヘンチックバージョンか。高橋源一郎の初児童文学だというが、まるで新井素子風だった。ぬいぐるみとかまさに。ひとつひとつの章が短かくて、ふりがなも親切なので読みやすくはある。名著からの引用はとても素敵。しかし好みはわかれるところ。私的には可愛いと思ったけど、そんな趣味じゃなかった。
2018/08/18
baba
11歳のミレイちゃんが今まで知らなかった鎌倉の祖母の家で過ごすひと夏の体験。児童書ですが源一郎先生が語り掛ける出会いと別れを通して成長する話しは切なくも爽やかで、紡ぎ出す言葉が素敵。挿絵もファンタジーにぴったり。
2018/09/29
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