白鶴亮翅
白鶴亮翅 / 感想・レビュー
starbro
多和田 葉子、4作目です。ドイツで暮らす著者の初の新聞連載&私小説的な物語でした。しかしながら、オチがないような気がしたので、この物語はまだ続くのでしょうか❓ ドイツで、「魔女の一撃」という表現が、「ぎっくり腰」の事だと初めて知りました。 https://www.asahi.com/articles/ASQ9P62XGQ9LUCVL019.html
2023/05/26
どんぐり
朝日新聞連載小説。白い鶴が翼をパッと広げる太極拳の型「はっかくりょうし」が表題。ベルリンのクロイツベルク地区に住むMisaの日常を描いている。異国の地で出会った隣人のMさん、日本に帰国した早瀬、太極拳教室のチェン先生など、日本人の女性が異文化と接するなかで出合うさまざまな出来事が彼らとの交流とともに進んでゆく。物語はあってないようなもの。その多くは、言語と文化のひだに触れる言葉の遊びだ。姨捨山の姨の字には誇りと強さと謎がある「姥捨てなかった伝説」、→
2024/10/22
榊原 香織
ドイツで一人暮らしの日本女性が、ひょんなことから太極拳を始める(題名は太極拳の一つの技です) 面白い。ドイツて濃い人が多いのかな。とてもインターナショナル。 隣人とこんな会話するのかな、と不思議だが、ドイツ語ならありかとも思える。日常にさらりと不思議が混じるのもこの人らしい
2023/06/05
ネギっ子gen
【書くというのは文字を生み出すことで、これほど心を満たしてくれる行為はなかった】『朝日新聞』に連載中に既読だが、まとめて読むと実に面白い本でした。題名に引きずられ幽幻の地を彷徨うが如き感覚というか――。帰国した夫と別れ、ベルリンで一人暮らしをする翻訳家・美砂は、隣人Mさんに誘われ太極拳学校へ。<翻訳作業のいいところは、自分の頭の中がからっぽに感じられる日でも、自分の好きな作者の書いた文章はそこにあり、それを消化して、たとえ消化しきれなくても、とりあえず自分の文章にして書くことができることかもしれない>。⇒
2023/10/11
NAO
ベルリンで一人暮らしをしている日本人女性が隣人に誘われて太極拳を習い始める。中国人女性が主宰しているその太極拳のクラスには、大金持ちのロシア人未亡人、森の中で菓子屋を開いている女性、外来語である英語で話すときは優しい感じなのに母国語のドイツ語で話すときはきつい感じになる女性、などさまざまな女性たちが集っている。主人公は徐々に彼女たちと会話を交わすようになり、彼女たちの背景を知っていく。ホモセクシャルの隣人も女性たちも、出自がややこしく、人間関係につまずいている。⇒
2023/07/13
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